マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
このコーナーでは、資産倍増PROJECT ネット証券専用ファンドシリーズの運用会社の方にQ&A形式にて運用されている投資信託について解説いただきます。
第3回目は、ネット証券専用ファンドシリーズの「新興市場日本株 レアル型」についてDIAMアセットマネジメントの方に伺いました。
【Q1】資産倍増PROJECT ネット証券専用ファンドシリーズにこの「新興市場日本株 レアル型」を提案した理由をおきかせください。
日本株ファンドを個人投資家の皆様に再評価していただきたいということが理由のひとつです。日本株ファンド、特にアクティブファンドの人気は、残念ながら低いのが現状です。その理由のひとつは、「結局、儲からないから」ではないでしょうか。弊社は、投資家にあまり注目されていない日本株アクティブファンドをなんとか投資家の皆様に再評価していただくためにはやはり、「パフォーマンスを示すこと」が重要であると考えます。また、個人投資家の皆様の多くが求められているパフォーマンスとは、ベンチマークを上回る相対的パフォーマンスではなく、絶対的なパフォーマンスではないかと考えています。
当ファンドは個人の投資家がメインプレーヤーである日本の新興市場の株式を実質的な主要投資対象として、絶対的なパフォーマンスを追求することを目指したファンドです。弊社は2007年11月に、日本の新興市場を主たる投資対象としたファンドの運用を開始しており、昨年、リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2011においても「最優秀ファンド賞(株式型 日本株 中小型株部門(評価期間:3年))」を受賞するなど、一定の評価をいただいています。
当ファンドにおける日本株の銘柄選択などの基本的な考え方は、昨年受賞したファンドの運用とは異なるところもありますが、ほぼ同じです。これまでの運用経験を踏まえたアドバイスを行い、当ファンドの運用成果を示すことで、当ファンドのみならず、日本株ファンド(特に、アクティブファンド)に投資家の皆様の注目が集まれば幸いに存じます。
【Q2】投資対象として、日本の新興市場等の株式とされていますが、なぜ、レアル型にされたのでしょうか。
レアル型とすることで、円とブラジルレアルの金利差のメリットも追求できるからです。当ファンドは外国籍投資信託に投資を行う「ファンド・オブ・ファンズ」の形式をとるファンドですが、投資対象の外国籍投資信託では日本株式に投資をするとともに、円売り・レアル買いの為替予約取引等を行い、株式の値上がり益に加え、実質的に円とブラジルレアルの金利差に相当する収益(為替ヘッジプレミアム)および為替変動による収益(対円でブラジルレアルが高くなった場合には利益となります。)の獲得を目指します。
また、為替差益を含むキャピタルゲインに日本株から得られる配当収入・為替ヘッジプレミアムを加えた収益の範囲内で毎月分配を行える商品設計となっています。毎月分配型ファンドは人気が高まっていることもあり、当ファンドは日本の新興市場の株式の値上がり益を期待するとともに、毎月の分配金の受取りニーズを満たすことができるファンドであると考えています。
なお、為替取引にあたっては、外国為替予約取引と類似する直物為替先渡取引(NDF)を利用します。NDFの取引価格は、需給やブラジルレアルに対する期待、ブラジルの資本規制や税制等により、金利差から考えられる理論値とその価格が期待される水準とは大きく異なってしまう場合があります。この結果、ファンドの投資成果は、実際の為替相場や金利市場から想定されるものと大きく乖離する場合があることには注意しなければなりません。なお、ブラジルレアルが対円で下落した場合は、為替差損が発生し基準価額の下落要因となります。
【Q3】新興市場の株式は、リスクもそれなりにあると考えますが、株価の価格変動リスクとともに、ブラジルレアルの高金利は魅力ですが、為替リスクをとるメリットは何でしょうか?
特に大きなメリットは、ブラジルレアルが対円で上昇すれば、為替差益の獲得が期待できるという点が考えられます。ブラジルは成長のための要素を複数持つ国のひとつであると考えています。まず、ブラジルは豊富な鉱物・食糧資源を有する資源国であるという点です。将来的に、世界の人口増加や新興国の経済成長等により鉱物や食糧に対する需要は高まることが予想されます。
また、ブラジルは個人消費の拡大やインフラ整備の進展等も期待されており、内需主導で経済成長が行える国であると考えられる点です。欧州債務問題の深刻化等により世界的には景気減速懸念がぬぐえない中、外需頼みではない内需主導の経済構造は強みとなると考えております。中長期的に、ブラジル経済が安定的な成長を遂げるとするならば、ブラジルレアルが上昇する可能性は高いと考えます。
【Q4】今後、組入銘柄、銘柄数、組入比率については、どのぐらいの頻度・どのような経過を経て変更などを検討されていくものでしょうか。
投資環境、ファンドの純資産、資金の流出入等を勘案して、随時、検討を行います。
組入銘柄は、主にジャスダック、東証マザーズ等に上場する銘柄群から、成長力があり、足元の業績が堅調で株価のバリュエーションが割安なものを中心に組入れを行います。銘柄数に関して、現在は70~100銘柄程度の範囲内でコントロール(今後の運用状況により変更する場合があります)しており、2011年12月末時点では85銘柄となっております。
組入においては、特に外部環境の影響に左右されない強固な企業基盤をもち、成長を遂げることのできる有望な銘柄に関しては、相応に高い組入比率とすることがあります。当ファンド(正確に言うと当ファンドが投資する外国籍投資信託)はベンチマークを有しておらず、大胆に有望銘柄の組入を行うことのできるアクティブファンドである点が、大きな特徴です。
なお、昨年の後半は、世界的に株式市場のボラティリティ(市場の変動性)が高まったことから、あまり一銘柄の組入比率を高めない慎重な運用を行うよう心掛けました。また、銘柄の入れ替えは、状況に即して比較的頻繁で行いました。
その他、特に投資環境が厳しい中にあっては、リスクコントロールのために、例えば、日本マクドナルドホールディングスや楽天などのように業況が安定的で、財務状況が堅実な銘柄の組入比率を高めることもあります。
【Q5】このところ日本株式市場は低迷していますが、投資方針で何かこれまで変えようと思っている点などはありますか?
株式市場が低迷する中にあっても、高値を更新するような銘柄も散見されます。これらの多くは経済環境が厳しくとも事業を堅調に伸ばしている銘柄でありますが、運用にあってはこのような銘柄を発掘し、投資することが肝要と考えています。なお、単に市場が低迷しているからという理由で、これに合わせる形で投資方針や投資対象を変更するということはございません。
【Q6】何かひとことメッセージがあればお願いいたします。
天災や政情および金融不安など、ここもとの外部環境の変化は人心に厳しい影響をあたえていると考えます。他方、こうした外部環境の厳しい変化は、新しい商品やサービス、市場等に対する再認識が進み、あるいはこれらに対するニーズが高まる契機になると考えております。このため、いたずらに悲観的になることなく、新しい産業や企業、事業の芽生えに注目し、適切な運用に努めて参りたいと考えています。
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「ネット証券専用ファンドシリーズ 新興市場日本株 レアル型」の取引に関する重要事項
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■ リスク
・ 当ファンドは、実質的に株式などの値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります。)に投資をします。組み入れた株式等の価格の変動により基準価額は変動します。したがって投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失が生じることがあります。
・ 当ファンドの基準価額の変動要因となる主なリスクとしては、「株価変動リスク」「為替リスク」「信用リスク」「個別銘柄選択リスク」「流動性リスク」などがあります。
■ 手数料等
当ファンドの取引にあたっては、以下の手数料等をご負担いただきます。申込手数料 : かかりません
解約手数料 : かかりません
信託財産留保額 : 換金申込日の翌営業日の基準価額に0.3%を乗じて得た額 信託報酬(年率・税込) : 純資産総額に対して1.657%を乗じた額(概算)
・上記以外にも保有期間中に間接的にご負担いただく費用(その他費用)があります。その他費用については、運用状況等により変動するものであり、事前に利率、上限額等を示すことができません。
※ 当ファンドに係る手数料(費用)の合計額については、保有期間等の各条件により異なりますので、事前に利率、上限額等を表示することができません。
■ その他
・ お申込み/ご購入にあたっては「目論見書」「目論見書補完書面」をご覧いただき、取引の仕組みやリスク・手数料等についてご確認ください。
マネックスからのご留意事項
「特集2」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。