マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
いつもお読みいただきありがとうございます!香港Monex Boom証券の山田です。
ワタミ、ファンケル、吉野家、香港の街を歩いていると日本の街のような看板が目につきます。中国本土でも同様で、イオンやユニクロ、無印良品などの進出が目立ちます。
先日、東京のマネックス証券の元同僚が香港観光に来たので、中国本土にも同行しました。その際、食の都広州の同じ通りにサイゼリヤが複数あるのに驚きました。その内の一店に入店、中国までサイゼリヤ!でしたが、大変混んでいました。同じ飲食業のワタミの決算資料等によれば、同社の国内既存店売上高は前期比92.0%なのに対し、香港(23店舗)は106.8%、深センは118.7%、上海は実に133.9%(中国で9店舗)となっています。香港の和民は繁盛しているように見えますが、数字でも裏付けがあると言えそうです。(いずれも2011年度上期)
また、先日、香港でもAKB48のライブ同時中継が行われていたので、映画館に向かいました。会場は若い観客であふれており、熱気は日本のそれと変わらないように思われました。(ちなみに私は、香港に引っ越す前は秋葉原に住んでいたのでその辺の感覚はある程度分かります。)香港にも、AKBショップもあります。
前置きが長くなりました。今回お伝えしたいのは中国の成長を享受しうる日本株の魅力です。すでに日産やコマツ、パナソニックなどメーカーの海外進出は当たり前のことですが、いよいよ小売業なども中国で本格的に収益をあげられるようになってくると思われます。だとすると、勝手知ったる日本株で中国への投資が間接的にできうるということです。また、それら日本の消費者向けの会社はこちらでも受け入れられているように思われ、場合によっては中国株以上の投資収益が上がるかもしれません。
たとえば、先述のワタミの場合、2011年度下期の出店は海外で19店舗を予定しているとのことです。前期末が40店舗なので店舗数が約5割増えるのです。上期の国内店舗数が純減であったことを考えると同社外食事業は今後ますます中国への依存度合いが高まるでしょう。
イオンも2020年度には連結営業利益の50%を海外であげるとしており、その核は中国のSCを中心としたアジア展開です。(2月7日付日経新聞より引用)
サイゼリヤも2012年5月中国・広州に工場を作り、将来は中国で大規模な店舗展開をしていくという目標を掲げています。
ファーストリテイリング(ユニクロ)や良品計画(無印良品)の世界戦略はよく語られるところですが、それらも中国を中心としたアジア展開が肝となっており、その成長率は国内事業を凌駕しています。
このように、日本の代表的な小売業はアジア展開を推し進めています。一方、1月に発表された中国各地域の一人あたりGDPは、上海・天津・北京の水準が1万ドル(年)を超えており、沿岸諸都市を中心に各地がこれに続くでしょう。国内に匹敵する、そしてやがては国内を超える中間所得者層の増加があることは上記のような中国展開を進める消費者向けの日本企業にとって、とてつもない追い風になるでしょう。
中国では春節(旧正月)を迎えましたが、香港のブランドショップは中国本土からの旅行者が殺到し、ずっと入場制限を行なっていました。そういった中国本土からの旅行者のプレゼンスが高まりすぎ、香港では香港人と大陸人の間に軋轢が生まれているほどです。この熱気を活かせた日本の会社は今後大化けをしうるように思います。
また、中国製菓大手を保有する岩塚製菓や、マカオのカジノ運営会社を持分法会社とするユニバーサルエンターテイメントなど、隠れ中国企業探しもおもしろいでしょう。なかなか、中国株投資に踏み出せない方は、まず日本株を通して中国を見ることを始めてもいいように思います。
最後に。AKBライブを映画館で鑑賞したときの話。SDNの「孤独のランナー」の3位そして、2年連続1位の「ヘビーローテーション」、アンコールの「会いたかった」で大盛り上がりだった香港の映画館ですが、一番盛り上がったのは、冒頭に高橋みなみが各国の言葉で挨拶をしたときでした。当たり前といえば当たり前ですが、基本的な現地化って大事だと実感しました。
上記のような投資を検討する際にも、実際に現地に足を運んで、その会社の受け入れられぶりを確認するのもいいように思います。香港でも、上海でも、他のアジアの都市でも。香港にいらした際は、ぜひマネックスグループの海外展開先である当社オフィスをご訪問いただければ幸いです。
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