マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。マネックスBOOM証券の山田です。香港市場の銘柄紹介シリーズ第2回目として、香港市場に上場しているメーカーをご紹介したいと思います。香港や中国のメーカーといって想像つきますでしょうか?香港のネオン広告も日本企業の広告が多いように感じます。香港では日本のメーカーの存在感が大変大きいのです。
日本のメーカーと言っても多種多様です。トヨタや日産の車をたくさん見かけます。(その他の国の高級車も多いです。)日立や三菱のエレベーターが一定レベルのビルには多く、新しいビルのトイレはTOTOやINAXが多数です。街のランナーは、アシックスやミズノのウェアを着ている人が多く、ゲームセンターは日本のゲーム機で溢れかえっており、ガンダムが大人気です。多くの人がキヤノンやオリンパスのカメラを使っています。
私が日本に一時帰国する際には、YONEXを買ってきてくれ、SHISEIDOを買ってきてくれなどと同僚に頼まれます。日本で買うほうが安く、そして新製品が手に入るようです。
日本メーカーはまだまだ力があると思います。特にTOTOとINAXなどは中国大陸を席巻するポテンシャルがあるのではないでしょうか。日本に留学経験のある香港人はわざわざ洗浄式便座を家に設置したそうです。(香港や中国では洗浄式は超少数です。)
最近で人気なのは、食べ物で一風堂、山頭火、でびっと、周月などラーメン屋が多数進出している他、スーパーでもリフレッシュオープンすると日本の食品が増えることが多いです。
といった具合に強いと感じられる日本のメーカーですが、テレビ売り場と携帯電話売り場では様相が違います。いくつかの香港の家電店や電気街を見たのですが、テレビはサムスンとLGのものが目立つところに並び、携帯電話はAppleとサムスン一色です。中国大陸でも(お店を見る限りでは)そう事情は変わらなかったです。日本製はどこに!?
もともと香港人の間ではソニーは憧れのブランドでした。事実、会社の同僚は自分に「ソニー株はそろそろ買い時じゃないか。自分はいつまでもソニーがこのままだとは思わない。」と尋ねてきました。しかし、彼も今は携帯も家のテレビもサムスンだそうです。そして聞くのは、ソニーのスマフォを使っていたがOSのアップデートがサポートされなかったなどの話です。
自分はソニー製品を好んでいました。しかし、プレステ3やソニータブレット(機種による)は日本国内専用です。香港版もありますが、二重に買うのは嫌で、両国で使えるiPadやiPhoneを使うようになりました。アップルはサポートもよく、香港でiPhoneを水没させてしまったときは、アップルストア香港で新しいiPhoneを比較的低料金で用意してくれました。iTunesから日本の最新音楽も簡単に購入できます。買えなくて残念だったのはソニーミュージック所属歌手の曲だけでした。ソニーといえば海外のイメージが強いのですが、海外に来てみるとソニーに嫌われているような感じがして寂しいものです。
日本メーカーの話が長くなりました。実は、香港市場にはメーカーが少ないのです。韓国市場にはサムスン電子(005930)やLG(003550)、台湾市場にはシャープとの提携で有名になった鴻海精密工業(2317)などがあります。しかし、香港市場では時価総額30位くらいにようやくプラダ(01913)や利豊(00494)、百麗国際(01880)といずれもファッション系の商社的なメーカーが出てくるくらいなのです。日本はトヨタ、ホンダ、キヤノン、JT、日産、ファナックとメーカー6社が10位以内に入るので大きな差があります。
ただ、おもしろい会社はけっこうあります。まず、日本でも有名なレノボ(00992)が上場しています。IBMのPC事業を買収し、NECのPC事業も同社との合弁となりました。台湾鴻海の子会社でiPhone製造も請け負う富士康(02038)や日本でも携帯電話が売られているZTE(00763)も上場しています。
そして、これからの成長を考えたら自動車も見逃せないでしょう。日産、ホンダ、プジョー・シトロエンと合弁を展開する東風汽車(00489)、BMWと合弁の華晨中国汽車(01114)、親会社がボルボを買収した吉利汽車(00175)などが注目されています。
香港市場の話なのにややソニーの話ばかりが長くなりました。ちょうど4月17日に発表された「nasne」は魅力的だなと思います。ソニー新社長が語っていた目標が形になってきたようでうれしいです。自分が購入しようとした歌では「叶わない夢なんて見たくないわ」と歌われていました。ソニーの夢が叶ってほしい、一日本人として強く思いました。
■今回のコラムで取り上げた香港市場に上場の銘柄
・プラダ(01913)...イタリアの有名高級ファッションブランド。昨年上場した。100株単位で最低売買金額は5万円程度。
・利豊(00494)...香港のファッション商社で欧米に強固な販売網。有力ブランドも保有。2,000株単位で最低売買金額は40万円程度。ハンセン指数採用銘柄。
・百麗国際(01880)...中国最大手の靴小売店チェーン。「Nike」「adidas」などの販売も手がける。1,000株単位で最低売買金額は16万円程度。ハンセン指数採用銘柄。
・レノボ(00992)...IBMのパソコン部門の買収、NECとのPCの合弁(レノボが過半保有)で有名。2,000株単位で最低売買金額は16万円程度。
・富士康(02038)...携帯電話などの受託販売で世界的。「iPhone」製造などApple関連銘柄としても知られる。昨年は従業員の自殺などが話題に。1,000株単位で最低売買金額は5万円程度。
・ZTE(00763)...中国の代表的な通信機メーカーで携帯電話の端末を生産。LTE対応を加速させている。200株単位で最低売買金額は5万円程度。
・東風汽車(00489)...中国三大自動車メーカーの一角。商用車に強い。外資系自動車メーカーからの技術輸入に積極的。2,000株単位で最低売買金額は30万円程度。
・華晨中国汽車(01114)...ブリリアンスチャイナ。BMWとの合弁でBMWブランドの自動車を生産。中国で10位圏内。2,000株単位で最低売買金額は20万円程度。
・吉利汽車(00175)...ゴールドマン・サックスも投資している自動車会社。中小型車主力で高級車志向。中国で10位圏内。5,000株単位で最低売買金額は18万円程度。
※本コラムは2012年4月18日に執筆いたしました。
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コラム執筆:山田真一郎 マネックスBOOM証券 マーケティング部
マネックス証券入社後、日本株の業務・商品・トレーディングツールの企画・マーケティングなどを担当。2011年10月よりマネックスBOOM証券に勤務。日本証券アナリスト協会検定会員。
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