マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
GWですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。為替市場はGWなど関係ありません。日本時間の値動きは地味になりますが、為替市場は24時間動いています。特にこのGWは為替市場を大きく動かすかもしれない指標の発表やイベントが沢山あるんですよね。4連休となる週後半の5月3日(木)にはECB理事会。欧州の金利発表とドラギ総裁の記者会見が注目されています。そして4日(金)夜には米4月雇用統計、6日(日)には仏大統領選決選投票とギリシャ総選挙を控えており、為替市場は波乱含みとなりそうです。早速、日本勢がGWの休暇中の4月30日(月)ドル円相場は80円の大台を割り込む円高が進行していますね。
波乱含みということは乱高下が予想されるということで、デイトレやスキャルピングを得意とする投資家にとってはエキサイティングなGWとなるのかもしれません。でも、デイトレやスキャルピングの手法を自分のものに出来ていないというスイングトレード派の投資家の皆さんは「休むも相場」です、ヤマを張ってポジションを継続するのは避けましょう。
というのは、それぞれのイベントの結果がどうなるかを予測しても意味がないからです。トレードで勝ち残るポイントはこれから何が起こるか当てることではないのです。「きっと今回の雇用統計は予想より悪い数字が出るだろうから先に売っておこう」などと山勘でポジションを取るというのは最悪の結果を招きます。仮にそれがあたって大きな利益を手にしたとしても、このやり方を継続していると、いつか全てを失ってしまうこともあるでしょう。
勿論、こうしたトレードが必ずしもダメなわけではありません。市場には「織り込み」といって、おそらくこうなるだろう、という予測の方向に価格が動いたりします。言うなれば予想に基づいた動きですね。例えば日銀が4月27日の金融政策決定会合で追加緩和策を発表するだろうという予測で事前に円安が進行していく、というような動き。しかし発表後は上へ下への乱高下。その後結局は円高方向に動いています。追加緩和は発表されたのに・・・。この瞬間にドル円は上下に50銭ずつ動き、1円もの振幅となるのですから余程のスキャルピングテクニックがなければこれを取るのは難しいでしょうし、動いている時には結局どちらに軍配が上がるのかを判断することは不可能です。
損切りすべきなのか、更にポジションを上乗せすべきなのか瞬時に判断できないのならこうしたイベント時に取引をしないほうがマシです。もし、そういうトレードをするならば発表の直前に手仕舞ってしまうことです。
大切なのは発表された内容をマーケットが受け止めた結果、結局どのようなトレンド生まれるのかを見極めること。雇用統計やギリシャ、フランスの選挙の結果次第ではこれまでの流れとはガラリと変わってしまうかもしれません。
しかし、皆がリスクを警戒するならば悪い結果が出たとしてもあまり動かないかもしれないのです。皆が同じ方向を見た時は不思議と相場は逆に動くもの。リスクをマーケットが(値動きが)事前に織り込んでしまうなら結果が悪くても更に下げることはなかったりもします。要するに発表される直前のマーケットのセンチメント、空気がその後の方向を示唆する大きな材料となるということです。ですから今から週末のイベントの予想などしても全く意味がないんですよね。
ということで皆さん、無理なトレードは避けその前までに価格がどの方向に動いていて、どんな期待が市場に織り込まれていたのか、そして結果がどのように受け止められたのかをよく見極めてから余裕をもったトレードを心がけて、良いGWをお過ごしくださいね。
コラム執筆:大橋ひろこ
フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。
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