マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
こんにちは。マネックスBOOM証券の山田です。マネックスBOOM証券にはアジア一円のお客様がいらっしゃいます。その中でいつも売買代金が上位にくるのはカジノ関連銘柄。今回は、日本市場にはない、カジノ運営会社の銘柄をご案内したいと思います。
香港市場にはマカオでカジノを運営する会社が複数上場しています。しかも、それらの銘柄は時価総額水準で香港を代表する会社に匹敵し、時価総額上位50社にカジノ運営会社が4社も入っています。日本では競馬場や馬券売り場の地主、遊技機の製造会社などは上場していますが、直接カジノなどを運営している会社はないです。マカオの隆盛を見ても分かるようにカジノ産業は観光や街の発展の起爆剤となります。現在も各国がカジノの開発などに力を入れており、日本でもカジノ導入を目的とする議連が発足しています。
さて、それらマカオのカジノ運営会社の中で注目されるのは2002年以降に新規参入したカジノでしょう。従来、マカオのカジノ運営権は、カジノ王として立志伝中の人物であるスタンレー・ホー氏の運営する会社が独占してきました。しかし、マカオが中国に返還された後の2002年に米系の「ウィン・マカオ」(01128)や香港系の「ギャラクシー」(00027)が参入。さらに、「サンズ・チャイナ」(01928)も参入しました。
これら新規参入のカジノはちょうどその時期に埋立地として開発されたコタイ地区に大規模なカジノリゾート(カジノを中心に、ホテル・ショッピングモール・劇場・会議場などを併設したリゾート)を開発し、マカオの急成長の立役者となりました。その開発力が今後の成長につながるとして注目を集めていると言えます。
その中でも代表格が「サンズ・チャイナ」、コタイ地区に開発した「ベネチアン・マカオ・リゾート」は1,000を超えるカジノテーブルを有し、ホテルの客室数も3,000以上という大施設です。名前の通り、ベネチアをモチーフにした施設で、建物も欧風、ホテルやカジノの中にはルネッサンス調の絵画が多数見られ、施設内のショッピングモールは中心部に人工の川が流れ、その川で船に乗ることができます。その船の船頭は歌を歌ってリゾート感を盛り上げています。「サンズ」はマカオのカジノシェアで2番手につけています。さらに、「サンズ・コタイ・セントラル」という超大型施設を開業しており、一層の成長が期待されそうです。
また、従来、マカオのカジノの中心地だったマカオ半島側に「スターワールド」を保有する「ギャラクシー」も昨年コタイ地区に「ギャラクシーマカオ」を開業、業績が大きく伸びています。「ギャラクシーマカオ」は日系のホテルオークラがホテルの一つとして入っており、全体の客室数は2,000を超える大規模なカジノです。
これら、新興勢力に押されながらもマカオの盟主といえるのがスタンレー・ホー氏のSJM(00880)、「リスボア」「グランドリスボア」などマカオ半島側の大型カジノを多数運営しており、2010年ではマカオのカジノ1位です。しかし、コタイ地区の発展により、相対的な地位が低下傾向にあることと超大型カジノリゾートにおいて遅れをとっていることから株価水準はライバルに比べ停滞しています。
マカオでは上記以外にも超大型のものを含めたリゾート開発が進んでいます。いつまでこの好調が続くのかは分かりませんが、中国人を中心にしたマカオの繁盛を見ているとまだまだこの好況は続くようにも思えます。また、マカオはカジノ都市である一面、28もの世界遺産を有する観光都市でもあります。それら観光地にも大勢の観光客が来ており、カジノと相乗効果を生んでいるように思えます。中国からの観光客が中心ですが、日本人客も多く、日本からマカオへの直行便も増えています。香港からも船で1時間なので、香港とマカオを合わせて訪れる旅行客も少なくありません。(ちなみに、香港ではカジノは許されていません)
急増するマカオの観光客と比べ、日本の観光客の増加は緩やかです。もちろん、空路というハードルはありますが、最近、アジア各国から安い航空会社が増えていることは日本の観光業の後押しとなるように思います。料理はおいしく、観光スポットも少なくない日本にもカジノができれば、今以上に中国の富裕層をつかむことができるようにも思います。
■今回取り上げた銘柄
サンズ・チャイナ(01928)...米サンズ傘下。「ベネチアン・マカオ」を運営。コタイ地区に新たに超大型カジノを開業。400株単位で最低売買金額は13万円程度。
SJMホールディングス(00880)...スタンレー・ホー氏が経営する最古参のカジノ運営会社。1,000株単位で最低売買金額は18万円程度。
ウィン・マカオ(01128)...アメリカWYNN傘下のカジノ運営会社。「永利(ウィン)」カジノを運営。400株単位で最低売買金額は10万円程度。
ギャラクシー・エンターテイメント・グループ(00027)...香港系のカジノ運営会社。「スターワールド」「ギャラクシー」などを運営。マカオでは中下位だが高成長中。1,000株単位で最低売買金額は25万円程度。
※本コラムは2012年5月2日に執筆いたしました。
参考レート:1香港ドル 10.35円
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コラム執筆:山田真一郎 マネックスBOOM証券 マーケティング部
マネックス証券入社後、日本株の業務・商品・トレーディングツールの企画・マーケティングなどを担当。2011年10月よりマネックスBOOM証券に勤務。日本証券アナリスト協会検定会員。
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