マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
皆さんがトレードをしていて一番楽しい瞬間ってどんな時でしょうか?!損切りができず含み損が拡大したポジションを抱えている時は、相場のことを考えるのも嫌なくらいですが、実は、「ちょっとだけマイナスが出ている時」が心理的には一番安定しているという話があります。何を言っているのだ、利益が出ている時に決まっているじゃないか。という指摘もあるかと思いますが、よく思い返してみて下さい。利益が出てくると、今度はその利益が目減りするのが気になって気になって仕方がない。少し逆に動くと利益がなくなってしまうのではないかと怖くなり衝動的に利食ってしまう。こんな経験がありませんか?だとするならそれも決していい心理状態ではないですよね。手数料やスプレッドなどのコスト分程度がマイナスで、まだ相場の勝ち負けが発生していないフラットな状態が最も希望があって楽しいということのようです。
トレードで長く生き残るには「損小利大(損は小さく利益は大きく伸ばす)」を実践することが最も大事です。これを徹底できれば「勝率」に拘ることはないのです。勿論、勝率の高いポイントを見極めてエントリーできればそれに越したことはないのですが、どんな著名投資家だって相場を当て続けることは不可能。間違えた時にどう対処するか、、、。これが相場で生き残れるか否かの試金石であると言ってもいいでしょう。簡単に言えば、思惑と違う動きならさっさと損切りしてしまえ、ということ。資金を増やすにはとにかく資金を回転させなければいけないのですが、損失ポジションのせいで新しいポジションが取れないのでは機会を喪失してしまいますね。「為替の取引は2国間の相対的価値だからゼロになることはない。いつかまたそのレートに戻ってくる」からと、損切りを絶対にしないというトレードを進める向きもありますが、これでは資金がロックされて動かせない。どんなチャンスがあっても損失を抱えたポジションが邪魔で機動的に動けないのでは勝ち組の仲間入りは出来ないのです。ドル円を110円で買ったまま放置しているけれど、いつかまた110円になるだろう。などと思う人は、その損失を受け入れたくないあまりに何年も資金を拘束されたままです。仮にいつかそのレベルまで戻るのだとしても70円から110円台までの値幅を利益にする機会を失っているということです。
また、損切りをコントロールできるようになっても利益を伸ばせなければ勝ち組とは言えません。実はトレードにおいて「利食い」が一番難しいとされています。損切りは思惑と違えば機械的に切ってしまえばいいだけのこと、意識さえ変えれば直ぐに実践できるのですが、利益確定は教科書的にこのタイミングというポイントがありません。理論値だとかフィボナッチ分析だとか、目標値を設定することはできるのですが目標値に到達するまで保有できないのは何故でしょうか。
為替市場というのは2国間の相対的な価値の取引なので、一方向のトレンドを形成しているようでいても、分足、時間足で見てみるとかなりの上下動があります。「結果的に思い通りの目標値」に到達できたポジションでも、途中で自分がエントリーした水準近くまで戻ってきたりすることがよくあるのです。つまり、エントリー方向は合っていても自信が揺らぐような値動きにさらされる機会が多い。この時にやはり逆だったか、と利益が小さくなったところで手仕舞ってしまうと利益は伸ばせません。その押し目(戻り)を好機と捉え、そこでまたポジションを増やすのが勝ち組トレード。大きく勝てる投資家は、思惑と違う相場で9回損切りが続いても自信のある相場が来た際にはポジションを積み上げてレバレッジを拡大させ、目標値まで粘るのです。これが利を伸ばすトレードのコツ。ただし、これも本当に方向が合っていた場合に上手く行くわけで、その自信がないとポジションを増やしていくことはなかなか出来ませんね。そこでどうしても必要になって来るのが、トレードの根拠でありシナリオの構築なのです。このテーマについては、また別の機会に書きたいと思います。
コラム執筆:大橋ひろこ
フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。
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