第34回 「損切り貧乏」にならないために 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第34回 「損切り貧乏」にならないために 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

ここぞと思ってポジションを作ってもイメージ通りの相場となる前に損切りに引っかかってしまって損失が出てしまう。トレードの基本ルールを守って必ず損切り設定しているが故に逆に利益のチャンスを逃してしまう、、、。こうした状態に陥ることを「損切り貧乏」などと呼びます。かと言って損切りを置かずに放置すれば、そのリスクは無限大に拡大することとなります。ストップロスは必ず設定しなくてはなりませんが、では損切り貧乏にならないためにはどうしたらいいでしょうか。

まず、ポジションを作る際の作業を思い返してみて下さい。四六時中チャートを見つめ、動き出したら慌てて飛び乗ったりしていませんか?作ったポジションのターゲット価格は明確ですか?単純に直近の高値や安値に損切りを置いていませんか?損切り貧乏になってしまう原因の一つは、思いつきでポジションを作ってしまっているなどタイミングに問題がある場合が多いのですが、それはつまり、作ったポジションの利益の目標が明確でないから損切りの設定が的確でないということなのです。

そのポジションは例えばチャートのブレイクアウト時に発生するような瞬間的なエネルギーの上昇を利益にするトレードなのでしょうか。それともトレンドフォロー戦略で大きな上昇トレンドを利益にするトレードなのでしょうか。あるいはレンジ相場の狭い値動きを利益にしたいのでしょうか。この目的の違いが損切りポイントの違いとなり、目的によって設定ポイントを変えないといけないのです。いつも一定のルールで損切り設定していませんか?
 
レンジ相場での逆張りで勝負しようと思ったのなら、損切り設定はブレイクアウトのポイントとなります。ブレイクアウトにはだましが多い為、皆が損切りを置くような解りやすいポイントから少し離して遠目に置いておくというほうが損切り貧乏にはなりにくいのですが、本当にブレイクアウトした場合は損失幅が大きくなってしまいます。

しかし、レンジというのは同じところで何度も往来するからレンジなのであって、ブレイクアウトというのは相応のエネルギーを貯めてからしか起こりません。確率的に言えばレンジ相場では逆張りでポジションを取ってその少し離れたポイントに損切り注文を置いておくというほうが損失機会は少ないのです。レンジブレイクしてしまった場合は、損失は膨らみますが、損切り貧乏に陥る可能性は低くなるため、レンジの逆張りトレードの際の損切りは比較的離して置いておく方が賢明です。ただし、レンジ相場なのかトレンド相場なのかを正確に見極められる目がないとなりませんが。

トレンドフォローで比較的長いトレンドを取ろうと思って作ったポジションなのであれば、トレンドが続かないことが明らかになるポイント、トレンドが否定されるポイントにロスカット注文を置きます。例えば日足チャートのトレンドで3円、5円と大きな値幅を取るトレンド狙いであれば、損切りポイントは広くなりますね。数円~数十円を利益目標とするならば、そのトレンドの押し目は数円幅となることも十分に考えられるからです。道中のちょっとした下落で損切りしていてはいけません。トレンドが否定されていない限り、下落局面が深くてもまた値を回復させていく可能性が残されているからです。損失を嫌い反対方向に動き出したら直ぐに損切りしてしまう方がいますが、自分が何を目的にポジションを作ったのかが明確であれば、切るべきポイントというのはチャートから弾き出すことが可能であり、それに従ったほうが結果的には損失を避けられるというわけです。

損失に鈍感であるよりも敏感であるほうが圧倒的に良いのですが、利益を伸ばすことが出来ないという方は、ポジションを作った後に逆方向に行ってしまっても、長期トレンドを取るという目的が明確であれば、トレンドが否定されるまでは耐えてみることを覚えるといいでしょう。ポジションを取った瞬間から逆方向に行く事が多いというのは、ポジションを取るタイミングがうまくないのです。しかし、大きなトレンドの方向が間違っていなければ、一定の調整の後にトレンドに回帰してきますので、トレンドが崩れるまでは損切りしないでおくことが大事なのです。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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