マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
初めまして! 北京駐在員事務所の長野です。
昨年9月より北京にて勤務しております。
こちらでの見聞を基に、今の中国の政治、経済、社会あるいは日常生活に関する様々な事柄についてご報告させていただきます。
今回は春節(旧正月)の帰省による民族大移動についてです。
中国で最も重要な春節の祝日(今年は2月10日が新年初日となります。)が間近となり、新聞やテレビは連日迎春準備の様子や帰省を巡るドタバタぶりを報じています。
春節の休暇は多くの人々が帰省し、故郷で親族や友人と久々の再開を果たす機会となっています。特に農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)にとっては、年に一度の帰省の機会です。法定の休日は2月9日(土)~15日(金)の7日間ですが、より長い休みを取る人も多く、鉄道駅では既に帰省ラッシュが始まっています。1月下旬から2月末までの間に、延べ30億人(全人口の約2.2倍)が移動すると言われています。
農民工にとっては、飛行機は運賃が高く、また長距離バスは事故が多いため、帰省の足としては鉄道の人気が圧倒的です。このため、チケットはまさに争奪戦で、インターネットが使えない多くの人々が、長時間駅の窓口に並んでいる光景が報じられていました。
何とかチケットを入手できても、列車は大変な混雑で、路線によっては2日あるいは3日がかりとなりますので、まさに「命懸け」です。テレビニュースでは、ガラガラの一等車と、足の踏み場も無い程の二等車の様子を伝えていました。それでも、お土産でしょうか、大きな荷物を列車に積み込む乗客の表情が皆本当に嬉しそうで、大変印象的です。
日本でも、東北・上越新幹線の開業(1982年)以前は、首都圏から東北、北海道方面への帰省の足と言えば、上野駅からの「はくつる」、「ゆうづる」、「十和田」、「八甲田」や「津軽」といった夜行列車が主力で、毎年混雑の様子が報じられていました。まさに昭和、それも高度成長期の風景で、名曲「津軽海峡・冬景色」の世界です。上野駅公園口のテント村(夜行列車の乗客用の待合所)をご存知の方は、だいたい五十代から上になりましょうか?日本から遅れること約40年で、中国で同じような景色を見ることが出来ます。
中国は今経済成長の真只中で、その歪みもいろいろ発生しているのですが、中には「昔日本が辿った道」と思えるものも数多くあります。中国の現状につき、出来る限り多角的に捉え、ご報告して行きたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所
マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト
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