第2回 中国の年越し風景 【北京駐在員事務所から】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第2回 中国の年越し風景 【北京駐在員事務所から】

今週、中国は旧正月の連休に入っています。
こちらの新聞に「年末年始で最も重要な行事、風習」についてのアンケート調査の結果が掲載されていました。本日はこの内容をご紹介します。
このアンケートは、調査会社が、北京等中国の主要4都市に住む16歳以上の市民760名を対象に実施したものだそうです。

第一位は、「家族一同での大晦日の晩餐」でした。
大晦日に、皆でご馳走を食べ、中国中央電視台(CCTV)の新年特別番組「春節聯歓晩会」を観るというのが、中国の典型的な年越し風景です。
作られる料理は、地域により様々ですが、北京周辺あるいは東北部では「水餃子」が最もポピュラーです。

「春節聯歓晩会」は、日本のNHK紅白歌合戦に相当する年末特別番組で、毎年大晦日の夜8時から元旦の午前1時まで、全国で生放送されます。
多くの有名スターが出演し、歌、ダンス、コント、奇術等を披露します。今年の目玉は、カナダの歌姫セリーヌ・ディオンで、映画「タイタニック」のテーマ曲「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」を歌いました。
この曲は、英語の歌としては中国で「Happy Birthday」の次に有名なのだそうです。
昨年、「タイタニック」の3D上映版が公開され、再び注目を集めたことで、今回の出演となりました。

第二位は、「爆竹、花火」ですが、騒音による近隣への迷惑に加え、過去に火災等の事故が頻発したことから、都市部では年々規制が強化されており、また今年は大気汚染を誘発するとの懸念から、北京市では市民に使用自粛の要請が行われていました。
とは言え、「正月に爆竹は欠かせない」と考える市民もまだまだ多いようです。
第三位は、「門や玄関への正月飾り」でした。
各家庭での飾りに加え、ホテル、ショッピングモール等のディスプレイもクリスマス以上に力が入っています。

日本と同様、「お年玉」の風習もあります。
調査結果では、大学生がもらえるお年玉の平均金額が1,520元(約23,000円)だったそうです。物価水準を考えるとかなりの額ですね。
現金が一番人気ですが、携帯電話等電子機器も人気で、書籍は不評だそうです。また、初詣の風習もあり、各地の仏教寺院が参拝客で賑います。

伝統的な風習が強く残っているようにも思えますが、上述の「春節聯歓晩会」は若年層ほど関心が低いそうです。日本の「紅白離れ」と同じです。
また、都市部で顕著となっている結婚難を反映し、若者の中には、両親や親族からのプレッシャーを恐れ「帰省恐怖症」に陥る人もいるそうです。

とは言え、家族、親族の繋がりを大切にする、あるいは年長者を敬う姿勢(地下鉄やバスにお年寄りが乗車すると若者がすかさず席を譲ります。)は見習いたいものと思います。
年末年始の風景から、日中の類似点、相違点を見ることが出来ます。

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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所

マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト

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