第64回 そろそろ買い場?!総悲観は買い場探しの兆候だけど... 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第64回 そろそろ買い場?!総悲観は買い場探しの兆候だけど... 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

日経平均の下落が止まりません。ドル円相場の今後を占うのも日経平均の動向だと先週のコラムに書きましたが、先週まで日経平均が16,000円手前から13,000円台前半まで3,000円近くも下落している割にはドル円相場、100円の大台を頑なに守り通していました。それが、週明け月曜になってようやく100円割れを示現。アメリカの5月のISM製造業景況指数が49ポイントと景気判断の分水嶺である50を割り込んだことがきっかけとなりました。アメリカの景気指標が悪かったことで、このところ盛り上がってきていた「出口論議」が後退するだろうとの見方が広がったためでアメリカによる緩和政策は継続されるだろう、ということで、ドル安です。100円割れはドル売りが主導する形となりました。

世界景気を支えるために緩和合戦となっている各国の金融政策ですが、最も早く引き締めに動くと思われていたアメリカの景気に疑問符が付いたということで、じゃぶじゃぶ緩和マネーはまだまだ市場にあふれる状態が続くだろうとの思惑から米株はあまり下げていません。今の米株は指標が悪くても良くても買いに反応していますね。指標が悪いのに株が売られないという変な相場ですが、こうした歪みはどこかで一度是正される気がしてなりません。現状のような地合いのまま米株にガス抜きの調整が来ることがあれば、日本株やドル円はさらに下落のリスクが出てくると思われます。米国指標の悪化の影響が為替市場に大きく出てきているということは、この週末の雇用統計が非常に重要になってきているということでしょう。

ドル円が100円を超えて103円台まで駆け上がった時、市場は100円割れはもうない、100円がサポートされるというコメントで溢れました。こういう時にこそ100円割れもある相場と警戒しないといけないということなのですが、さて、ここから市場の見方はどの方向で一致してくるでしょうか。日経平均13,000円割れ、ドル円99円割れで弱気に傾いて、調整長引くとのコメントが溢れるようなら、買いのチャンスは目の前でしょうか。さすがに下げすぎた、今が絶好の買い場だという見方で一致するならば、一旦の戻りがあってもそこはまた売り直され、調整が長引くこととなるでしょう。

ダウの大幅調整の可能性を考えると、日本株もドル円も調整がまだ深くなることも想定しなくてはならないとも思うのですが、今週は下げすぎの反動から一旦は買戻しの力が大きく働くのではないかと考えています。その先で、世界が注目しているアベノミクス成長戦略第3弾がさらなる支援材料となるのか、そして週末の米国の5月の雇用統計が波乱なく通過できるかが問われることとなりそうです。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」の「第3の矢」である成長戦略は、第1弾では女性の活用、第2弾で農業・産業の競争力強化などが発表されましたが、これだけじゃどうもパンチ不足。今週発表される第3弾では、インフラ投資に民間のお金を使う「PFI(民間資金活用による社会資本整備)」制度の規制緩和や国が主導して税制優遇などを行う特区制度、ベンチャーへの投資を減税する「エンジェル税制」の拡充が盛り込まれるとされていますが、一部関係者の間ではこの内容では海外勢の失望を買うとの見方も。失望もなにも、すでに海外勢は利食ってしまっているようにも思いますが、しかし、これも今後の日本株を占う重要なイベントとなりますので、成長戦略第3弾の内容には注意を払っておいてくださいね。法人税減税が決まればポジティブサプライズだとか。サプライズがあればそこから猛烈に買戻しが入る可能性が高いので、底入れと見てもいいでしょう。

個人的には、成長戦略の失望、雇用統計の悪化などでの波乱で、日本株市場がもう一段の下落を演じるようなら、そのあたりが絶好の買い場となるのではないか、と思っています。その際に「セリングクライマックス」と呼べるような大きな陰線と、綺麗な下ひげがついてくれれば解りやすいのですけれどね...。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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