第65回 ドル円、日本株はいよいよ底入れ?!弱気台頭で買い場到来か 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第65回 ドル円、日本株はいよいよ底入れ?!弱気台頭で買い場到来か 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

週明け月曜の東京市場は久しぶりに明るいムードに包まれました。日経平均株価は636円67銭高の13,514.20円と大幅反発し、高値引けで取引を終了。今年最大の上げ幅を記録しました。ドル/円相場も雇用統計発表直後は1ドル95円を割り込んでいたものが週明け月曜には99円台まで上昇。これで当面の底を確認したと言っていいでしょうか。

先週は安倍首相の成長戦略第3弾の内容に失望したマーケット、日本株は売り込まれ日経平均株価は13,000円の大台を割り込んで12,548円まで下落してしまいました。あれほどアベノミクスを持ち上げて日本株買いを進めてきた外人勢も「しぼむアベノミクス効果」「的を外した3本目の矢」などと揶揄し、掌を返したように日本株売りに動き日経平均先物価格はCME市場で一時12,290円まで売り込まれていました。このレベルは4月4日の黒田新日銀総裁の異次元緩和発表前の水準。バズーカ砲とも呼ばれた緩和のインパクトで上昇した3,500円余りもの上げ幅を全て消し去ってしまったことになります。

日本株がパニック売りの様相となったことを受けて為替市場でもドル円相場は95円をも割り込む円高進行となりました。市場には弱気の声が増えつつあり、アベノミクス相場の終焉だというメディア報道も出てきました。終焉とまでは行かなくとも調整が長引く、トレンドレスで乱高下がまだまだ続くといった見方が広がりつつありますが、ここからのドル/円相場はどのように見ていけばいいでしょうか。

マーケットのトレンドを見極めるテクニカルインジゲーターは色々ありますが、今回は一目均衡表に注目してみてみます。ドル/円相場の日足の一目均衡表は「三役逆転」する一歩手前で売りトレンド転換確定のサインを免れています。

三役とはトレンドの転換を確認する3つのサインのこと。

① 転換線が基準線を下抜けたら(上から下へクロスする)売りサイン。

② 遅行スパンがろうそく足を下抜けたら(上から下へ突き抜ける)売りサイン。
③ ろうそく足が雲を下抜けたら(価格が抵抗帯下限を突き抜ける)売りサイン。
この順番は時に入れ替わったりするのですが、3つが揃えば「三役逆転」ということで売りトレンド確定とみて売り戦略を構築するほうが勝ちやすくなります。
※これが逆に起こる場合は「三役好転」強い買いサインとなります。
今回の場合、6月3日に転換線と基準線がデットクロスし、7日に遅行スパンがろうそく足を下抜けました。そして残る1点、雲の下限をろうそく足実体が突き抜けて下がってしまえば強い売りサインの完成だったのですが、、、。
雇用統計の発表があってドル/円相場が乱高下、一時95円の大台を割り込み94.0円近辺まで下落しましたが、その後反騰し、97.80円近辺まで上昇してNY時間の取引を終えています。つまりNY終値ベースでは雲の下限を下抜けて終わっていなかったのです。そうです、一目均衡表の見方で大切なのは「NY終値時点での形」値動きの途中で逆転したかに見えても「だましのサイン」かもしれません。NY終値、つまり1日分のろうそく足が確定する時点での状態が重要なのです。

ドル円は一目均衡表の三役逆転の売りトレンド確定を免れましたが、実は日経平均でも同じような形になっているのです。2役まで逆転サインが出ていたのですが、雲がろうそく足実体を支えています。日本株もこの雲を下抜けることなく上昇に転じました。後はこの雲の上限に実体が顔を出すことができるかどうかがポイントとなってくるでしょう。

今週は日銀の金融政策決定会合が開催されます。ここで日本版LTROが出てくるのではないかという一部予想もあります。過度な期待は禁物ですが、債券市場にとどまらず株式市場も大荒れとなるなか黒田総裁がどんなコメントを出すのかが注目で、内容によっては異次元緩和相場復活となるきっかけとなるかもしれません。

また年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、運用資産の基本ポートフォリオ比率を
変更したことも効いてくると思われます。国内債券は67%から60%に減らされる一方、国内株式は11%から12%に増加、外国債券を8%から11%、外国株式を12%へ増やすということで、直ぐにとは言いませんがじわじわと日本株高、円安要因となってくるでしょう。

まだまだ日経平均のボラティリティが落ち着いていませんので、ひと波乱あるかもしれません。日経ボラティリティインデックスが40~50まで上昇してしまっていますので、これが30あたりに落ちてこないことにはマーケットの安定が確認できないのですが、マーケットが悲観に傾き、慎重になってきた今こそ、日本株、そしてドル/円の買い場なのではないかと考えています。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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