第68回 調整か転換かの見極め方とトレンドレス相場のデイトレ・スキャル手法 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第68回 調整か転換かの見極め方とトレンドレス相場のデイトレ・スキャル手法 【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

前回はマーケットの地合いが大きく変化したら、トレードスタイルを変えることが重要だと書きました。5.23ショックの前までのドル/円相場は明らかにドル高円安の「上昇トレンド」押し目を買ってずっと放置していれば半年間負けなしという解り易い相場でしたが、大きく調整して以降、トレンドフォロースタイルでの取引が大変難しくなってきています。5月23日103.72円から6月14日につけた93.97円安値までの下落も、トレンドと言えばトレンドなのですが、10円近くの下落をわずか22日という短期間に演じているため、単なる調整で押し目を買えばいいのか、戻りを売る下落トレンドに転換してしまったのかを見極める前に目先の底入れとなってしまいました。その後の反騰で今度は98.60円近辺まで上昇、6円近くも上昇しましたが、これもまた、戻り売りなのか押し目買いなのかを見極めることが難しく乗りにくい相場でした。

70円台をうろうろしていた底値圏でのレンジ相場に比べれば、高値圏にあるためボラティリティも大きくダイナミックなレンジ相場にはいっていますが、こんな相場でも上手にデイトレード、スキャルピングが出来ればこの相場もまた、大きな収益チャンスです。じっくり買って保有し続けるトレンドフォロー型の手法ではなく、スキャルやデイトレなどの短期トレードに手法をチェンジできた投資家が生き残っていると言えるでしょう。

では、その調整なのか転換してしまったのかを見極めるにはどうすればよかったのか。そしてそれが見極められたとして、どのようにトレードすればいいのでしょうか。

まず、大局の大型トレンドが変わってしまったのかどうかは、テクニカルインジケーターのトレンド系指標を用います。トレンド系の指標はろうそく足のチャートの上に表示させる一目均衡表やボリンジャーバンドのような指標です。対してオシレーター系のテクニカル指標というのはRSIやストキャスティクス、MACDのようにろうそく足チャートの下部分に独立して表示させるものを指します。

一目均衡表では大きなトレンドが発生しているときは基準線と転換線という2本のラインがろうそく足を支えています。まずはこの2本のラインを下回ってしまった時、買い持ちのポジションは利食ってしまう方が賢明です。その後、また2本のラインの上にろうそく足が回復すればまた同じ押し目買いのトレンドフォロー手法でトレードすればいいのですが、このラインを下回ってしまった場合はその手法を封印、デイトレ、スキャルピングに切り替えます。この2本のラインの下を走る雲をもろうそく足の実体が割り込んでしまった場合は「三役逆転」。一般的に、下落トレンド確定ですのでトレンドフォロー手法に切り替えます。つまり戻り売りに徹するということですが、しかしこれも絶対ではありません。今度は下落方向に落ちて来た基準線、転換線をろうそく足が下回っていることを確認した上での戻り売りが鉄則。基準線、転換線をろうそく足が上回ってきたら、トレンドがはっきりしないということですから、またデイトレ、スキャルピングに徹する手法に切り替えるのです。今回の場合は、三役逆転したもののふたたび基準線・転換線をろうそく足が上回り、雲の中に突入してきましたね。まずは、日足チャートで現在がトレンドの中にあるのか、調整中なのか、トレンドが転換してしまったのか、方向なしのレンジ相場なのかを確認することが最も重要なのです。

では、現在のようなトレンドの見極めが難しく、デイトレ、スキャルに徹する場合、どのようにポジションを取るタイミングを見つけたらいいのでしょうか。これはとても簡単なことです。今回は一目均衡表を例に現状を確認するやり方をご紹介しましたが、これを日足チャートではなく1時間足や15分足といった具合に時間軸を短くしたチャートで同じように考えてトレードすればいいのです。日足チャートでは大きくみてレンジ相場でも、2~5日同じ方向に動く場合があります。この間の値動きを1時間足チャートで表示させれば24~100時間余り同じ方向に動くトレンドが発生していることになりますね。1時間足で、基準線、転換線を意識して支えられているうちは基準線、転換線まで下げたところを買うトレンドフォロー手法で数時間で利食いを入れるデイトレをすればいいだけです。5分足チャートを使うなら数十分で決着をつけるトレードを。時間軸を落として、日足と同じようにテクニカルインジケーターを使っていけばよいのです。今はまさにこのスタイルです。5月23日の高値103.74円を超えて上昇してこない限りにおいては、12~5月までの半年間に演じた大型の上昇トレンドの再来はないと割り切って、短いトレードで収益を上げていきましょう。


コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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