マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
みなさん、こんにちは。『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』著者の長谷部翔太郎です。まず、広島や礼文(北海道)などで発生した大きな土砂崩れに関して、被災された多くの方、犠牲になられた方のご家族に対し、衷心よりお見舞いを申し上げたく思います。一刻も早い復旧を祈念しております。そして、犠牲になられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
この夏は日本各地で極端な豪雨による被害が頻発しています。いつもどこかで豪雨や台風によって自然災害が引き起こされているような感じです。地球温暖化による気象変動などをその理由に挙げる向きもありますが、よくわかりません。ただ、我々が常に意識しておかなければならないのは、自然の力は実に強大であり、天災への恐れや備えはどれほどしていても十分ではない、という厳しい現実かと思います。
さて、今回取り上げるテーマは、これも同じく自然の恐ろしさともいえる「感染症の世界的流行(パンデミック)」です。先日、日本でも約70年ぶりというデング熱感染者が見つかりましたが、現在西アフリカでは致死率が非常に高いといわれているエボラ出血熱の感染が急拡大しています。世界保健機構(WHO)によると、今回の感染拡大による死者は既に1,400人を越え、まだ拡大の様相を呈しているようです。さらには、最終的な感染者数は2万人に至るとの観測も出ています。各国政府やWHO、医療関係者は感染者の治療や感染封じ込めに懸命の努力をしていますが、素人目にはまだその勢いに目立った変化はないように思えます。そういった中、効果の可能性が期待できる薬品に関しては、未承認ながらも事態打開に向けて使用が検討される状況となってきました。取り返しのつかない大流行となってしまうことのないよう、採れる策は積極的に打っていくという姿勢が感じられます。一刻も早い事態の沈静化を願って止みません。
ただし、このコラムではパンデミックそのものへの対応というよりも、パンデミックを未然に防ぐという視点で株式投資を考えたいと思います。感染症の特効薬開発会社は注目されるでしょうが、そもそもそんなことは事前にわかりません。まして未承認薬であれば尚更です。そして当然ですが、特効薬ビジネスが成功するということは、疫病の発生が期せずして前提になるということにもなりかねません。そんな考えは不謹慎が過ぎるでしょう。しかも当然ですが、パンデミックが一度発生してしまえば、株式投資などをしている余裕すらありえないはずです。あくまでパンデミックを未然に防ぐことができてこそ、そこにビジネスチャンス、延いては投資機会が存在すると考えます。
では、そういった疫病を未然に防ぐ(予防する)には何が必要でしょうか。単純に考えれば、いち早く症例を特定できる検査関連となるでしょう。しかし、より簡単で、かつ最も予防効果があるのは、日頃の衛生対応となるはずです。衛生観念は各国文化が異なるために画一的に判断することはできませんが、こういった感染症流行を契機に日常の衛生観念は、グローバル規模で、特に途上国においてはかなり変化する可能性があると考えます。一般に、日常の衛生用品などは、例えば国内においては成熟市場と認識されており、今後大きな成長は見込み難いと思われています。世界的な衛生対応が進化することで、これらはより息の長い、また裾野の広い市場になるシナリオが浮上してくることでしょう。これらの関連企業は、特効薬や検査関連といった華々しい銘柄とは一線を画すことになりますが、腰を据えた長期投資には、こういった視点での銘柄選択も面白いのではないか、と考えます。
最後に、繰り返しとなりますが、この夏は日本各地で大変な自然災害が頻発しました。それらにより犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方、犠牲者の出た親族の方に対し、お見舞いを申し上げます。
コラム執筆:長谷部 翔太郎
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