第4回 FXマーケットの特徴 【FXトレードの真髄】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第4回 FXマーケットの特徴 【FXトレードの真髄】

本コラムは、2014年7月から9月に3回にわたって開催されたオンラインセミナー「FXトレードの真髄」における筆者の発言の内容を再構成してお届けするものです。第4回目の今回のテーマはFXマーケットの特徴です。


初めにFXとそのマーケットの5つの特徴を紹介します。


・通貨の交換レートであり、株や債券のような資産ではない。

・交換レートは2つ通貨のペアで構成される。例)米国ドル/日本円

・マーケットは24時間継続している。

・取引所集中ではなく、FX業者と顧客の相対での取引が主流。

・レバレッジをかけた証拠金取引が主流。

それぞれの特徴について、どのように考えればFXトレードがうまくいくのかを考えていきましょう。


FXでは、株や債券のような資産を取引対象とするのではなく、各国の通貨の交換レートという漠然としたものをトレードします。通貨の価値の土台となるマクロ経済の現状と先行きについて検討するのですから、「ファンダメンタル」という「スタイル」では時間がいくらあっても足りなそうです。そこで、前回のコラムでお話しした「時間=タイミング」の「スキル」を使います。FXには、経済指標の発表と要人の発言でマーケットが動く、という特徴があります。この特徴を知っていれば、トレードの「時間=タイミング」がわかります。「ファンダメンタル」の内容よりも、まずその材料が発表される時間に注目しようという考え方です。


FXは、2つの通貨からなるペアが取引対象であるため、「ファンダメンタル」の「スタイル」では状況判断が難しいという特徴があります。1つの通貨であれば、その通貨についての判断は「良い」、「悪い」「わからない」の3通りです。しかし、これが2つの通貨になると、判断が9通り(3x3)になります。簡単にいえば、2つの国を見なくてはいけません。株式の売買でいえば、買いと売りを組み合わせるロングショート(ペアトレ)戦略のようなものです。2つの国のロングショート戦略を、「ファンダメンタル」から読み切ることはかなり困難です。そこで、多くの参加者は「テクニカル」という「スタイル」を選択します。そして、「ブレイクアウト売買」と呼ばれる高値と安値に注目してトレードを行う「スキル」を使うトレーダーが多いという特徴があります。この特徴を知っていれば、高値と安値という、トレードのターゲットとなる「値段=プライス」がわかります。


FXのマーケットは24時間動いています。すべての動きを見ることは不可能です。では、寝ている間も動くマーケットに対して、どのような備えをすればよいでしょうか。まず「メンタル」の備えとしては、条件はすべての参加者が同じと割り切ることです。確かに、欧米時間の方がよく動くという日本人には不利な面もあります。しかし日銀の政策決定会合を見ることができない外国人もまた多くいるのです。次に「スタイル」の備えとしては、FXマーケットは、すべてを見ることができない以上、指値、逆指値を含む「広義の自動売買」という「スタイル」と相性がよく、「裁量売買」という「スタイル」と相性が悪いことを知っておく必要があります。「スタイル」の選択で大事なことは、自分の性格に合っている「スタイル」を選択することです。自分の性格には合っていないと思うのに、無理をして指値や逆指値の注文を置くようなトレードはやめた方が良いでしょう。最後に「スキル」の備えとしては、自分が寝ている欧米の時間帯に利食いと損切りの注文をワークさせる「スキル」があります。欧米時間での動きは、指値と逆指値に任せるという考え方です。この「スキル」は「広義の自動売買」という「スタイル」に属するので、寝ている間もトレードができると考える性格の人の方がFXトレードに向いているでしょう。


FXは、取引所取引ではなく、業者と顧客の相対取引が主流です。世界中に多数の業者がいるので、建玉数や出来高といったマーケットの全体像が見えにくいという特徴があります。また、業者ごとに取引条件が違うという特徴もあります。これはどのように考えるべきでしょうか。実は、この特徴は「メンタル」に作用するものなのです。それを理解できれば、解決は簡単です。全体像が見えないのはすべての参加者にとって同じなので、必要以上に心配しないことです。そして自分が一番いい気分でトレードできる業者を選ぶことが「メンタル」に最も良いことです。取引コストももちろん重要ですが、それは「メンタル」を良い状態に保つ要因の一つでしかありません。


FXはレバレッジをかける証拠金取引が主流です。初めはなんとなく不安かもしれません。なぜ不安かというと、レバレッジを1倍から25倍の範囲で自由に決めることができるからです。これも実は「メンタル」に作用する特徴です。1倍でも25倍でも自分が一番気分の良くトレードできるレバレッジを決めれば良いのです。一般的にはマーケットの動きが心配になってきたら、それはレベレッジをかけすぎの状態だと考えられます。自分の「メンタル」をよく観察して自分に合ったレバレッジでトレードしましょう。


次回は第4回までのまとめと資金管理についてです。


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コラム執筆:高井 克実  トレード・サイエンス株式会社

1995年東工大卒。外資系証券会社等でディーラーとして活躍後、2013年トレード・サイエンス株式会社に入社、シグナルモデルの開発・運用に携わる。

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