マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
今週から新年度入りです。4月になると日本企業の年度初めということで、円安に振れやすいなどと言われていますが実際はどうなのでしょう。過去20年分の4月のドル/円の値動きを調べてみました。
チャートを検証してわかったことですが、4月のドル/円相場は「月前半と月後半では全く違う値動き」となることが多く、一貫して同じトレンドで動いた年は過去20年中3回ほどしかありませんでした。背景としては、3月は本邦機関投資家や企業は3月期末決算に向けてポジションを整理しており、時期的に新規のポジションを取りにくいという環境にあります。これが4月新年度に入ると一気に新規でのポジションメイクに動くことから、初動、もしくは4月中旬に向けては大きなトレンドが出やすくなると思われるのですが、4月中旬から後半になると、本邦勢はゴールデンウィークという長い休暇を意識しなくてはなりません。(長い休暇に海外旅行に出かける個人によるドル買いも旺盛になるとも言われていますが、必ずしも例年5月に向けて円安になるというものではありません。)また、米国にはSell in Mayという格言があり、5月に向けては米株下落への警戒が強まるということで、月中から下旬に向けては、ポジションの整理が起こりやすいということが関係していると思われます。
今年2015年のドル/円相場は昨年2014年12月8日につけた121.84円の高値を3月10日に突破、122.04円まで円安が進行したために、円安期待が高まりましたが、3月のFOMCを境に一転して円高気味に動き、結局はレンジ相場が続いています。4月初動、円安か円高に大きく動き始めたとしても、過去の値動きを教訓とするならばそのトレンドについて行くのが賢明とは思えません。月初~中旬までの値動きと月後半の値動きが異なるケースが多い4月のトレードは、月初に生じたトレンドのダマシに気を付けてくださいね。
コラム執筆:大橋ひろこ
フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。
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