第114回 北京語言大学が東京校を開設 【北京駐在員事務所から】

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第114回 北京語言大学が東京校を開設 【北京駐在員事務所から】

北京にキャンパスを置く北京語言大学が、先月池袋に東京校を開設しました。同大学が海外に設置する初の分校です。
中国国籍以外の学生を対象に、中国語、英語、ビジネス、国際文化交流等の授業を行います。
日本の学校教育法に基づく大学ではありませんが、日本で4年間の課程を修了すれば、中国の大学卒業資格を得ることができます。
また、在学中に北京の本校あるいは米国の大学に留学することもできるそうです。

北京語言大学では、中国人学生向けに外国語の教育を行う一方、留学生を積極的に受け入れ、中国語の教育を行っています。
中国語能力の検定試験として世界で広く実施されている"HSK"(英語試験のTOEFLに相当します)の開発主体としても知られ、外国人向けの中国語教育の分野では高い名声を誇っています。
私も、以前通学しておりました中国語の学校で、同大学が製作した教材を使っていました。

北京の本校には、日本人留学生も多く在籍しており、フルタイム(4年制)の学生のほか、日本の大学で中国語を学び、1年間程度単位交換留学で学ぶ学生もいます。
私の友人にも、山梨や福岡の大学から1年間留学という学生がいました。北京には数多くの大学がありますが、日本人を含む留学生の数では最多の大学です。
一度キャンパスを訪ねたことがあるのですが、欧米やアフリカ諸国からと思われる学生を多く目にし、「北京に外国が出現」といった感じでした。

北京語言大学の学長は、東京校の開校式典で、同校開設の動機、目的について、「中国及び中国語の学習に興味があるものの、留学までは難しい学生に学習の機会を提供する」と述べています。
中国政府の教育部(日本の文部科学省に相当します)によると、日本から中国への留学生は、2012年の時点で約21,000名でしたが、昨年2014年には15,000名にまで減少しています。国別の順位でも、長く韓国、米国に次ぐ第三位の座におりましたが、昨年は第五位に後退しました。
ちなみに、日本で学ぶ中国人留学生は約8万名で、留学生全体の過半を占め、国別で圧倒的な第一位となっています。
日本人留学生の減少には、両国の政治関係、大気汚染等様々な問題が影響していますが、やはり円安による費用の増加が最大の要因と思われます。
また、留学に限らず、旅行や研修等を含め、近年若年層の海外志向が低下しているとも言われています。経済的に余裕がないことに加え、大学卒業後の就職難も、学生を国内に留める圧力になっていることが考えられます。

私が大学生の時には、第二外国語の選択肢はフランス語、ドイツ語とロシア語のみで、「スペイン語ができると便利」と言われたものです。
時代は変わり、今は恐らくほとんどの大学で中国語が教えられていることでしょう。
残念ながら私は年齢的に手遅れなのですが、日本人は漢字学習のハードルが極めて低いという利点を有していますので、若い方には是非中国語を学ばれることをお勧めします。

日中間の政治関係は、改善への足取りが緩慢な状況が続いていますが、観光や留学を含めた民間交流が着実に発展し、互いの理解が深まることを願いたく思います。

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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所長

マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト

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