第206回 GW直前~ドル/円相場ここからのトレードの注意点【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。

第206回 GW直前~ドル/円相場ここからのトレードの注意点【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

月初~中旬までの値動きと月後半の値動きが異なるケースが多い4月のトレードは、月初に生じたトレンドのダマシに気を付けたいところです~と4月12日のコラム(http://lounge.monex.co.jp/pro/special2/2016/04/12.html)で書きましたが、2016年も同様の展開になってきています。今年は、年初から12週連続で日本株を売り越してきた外国人投資家が4月に入ってから、買い越しに回っているという需給の変化がみられますが、日本株売りの主体だったと噂されているオイルマネー(産油国の政府系ファンドなど)が、原油価格が下げ止まって上昇していることで、財政難からリスク資産の換金売りに迫られる窮地を脱したとの指摘もありますが、加えて今週28日の日銀の金融政策決定会合への期待が高まっていることも、日経平均、ドル/円上昇の大きな材料となってきています。今回4月の日銀の金融政策にどのような期待が高まっているかについて詳細は文字数の関係で割愛しますが、ここからのトレードのポイントとなってくるのは主に以下の3点になると思われます。

①市場の期待だけで日銀会合前までどの程度のラリーがあるか(日本株上昇、ドル/円上昇があるか)

②市場の期待に応える内容の追加金融緩和策があるのか(失望売りのリスクはあるか)

③GW前のポジション整理はでるのか(Sell in May(5月に売り逃げよ、という米国の相場格言)を意識した売りの可能性はあるか)

①と②に関しては、28日までの日経平均、ドル/円の上昇があまりに大きくなれば、日銀の政策発表が期待通りの内容となっても「噂で買って事実で売り」の格言のように利食い売りに押されて下落してしまうリスクがある、あるいは、期待外れとなれば利食いだけでなく新規売りも誘発し大きな下落につながるリスクがあるということです。その意味では28日までにあまり相場が過熱しないほうが好ましいのですが・・・。

そして、今週は4月最終週、今週末からGWに入りますね。③のGWについてですが、日本市場が長期休暇に入るということで、手仕舞い売りに押されやすくなる可能性があります。為替市場は日本市場が休場でもお構いなく動いていますが、株式市場がクローズとなるため、この間に海外市場で大きな下落などがあれば、休み明けに日本市場がオープンした際にはギャップ(窓)を開けて下落するリスクが高まります。29日金曜の祝日が休場ですので、5月2日月曜の東京市場は、28日と29日の2日分の値動きを受けて始まることになりますし、5月3,4,5日の祝日ともなれば、6日金曜日の東京市場は2日から5日までの4日分の海外市場の動きを受けて始まることとなります。もし、4日間NYダウが下落し続けるような相場となれば、それをまともに受けて日本市場がオープンする場合どのような下落となるかわかりません。もちろん、休みの間に上昇が続けば、嬉しいギャップアップ(窓明け上昇)という相場になる可能性もありますが、日本市場が休場の時は日本勢が動けないことを狙った海外勢が為替市場などで円高アタックを仕掛けることも多く(今年の2月11日の祝日がそうでした)どちらかというとリスクを警戒しておいた方がいいと思われます。

現在の日本株、ドル/円相場の上昇は、日銀の金融政策に向けたイベントラリーである可能性が高いこと、またカレンダー的にGWの長期休暇前にあたることを考慮して、今週のトレード戦略としては高値ではしっかりと利食いを入れて、また下がってきた時に買い直すイメージで行きたいと考えています。


コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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