第188回 この冬は4年ぶりの大寒波に? 【北京駐在員事務所から】

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第188回 この冬は4年ぶりの大寒波に? 【北京駐在員事務所から】

北京では、今週に入り一段と気温が低下し、最低が0℃、最高が10℃くらいになりました。
年明け後、1月の中旬から下旬にかけ、さらに10℃ほど気温が下がりますので、寒さはまだまだこれからなのですが、既に東京の真冬の水準で、また9月の下旬まで夏の陽気だったこともあり、身体にはこたえます。昨日からは真冬の身支度で通勤しています。

寒さが増し、また日の短くなるこの時期は気分的にも滅入るものがありますが、追い打ちをかけるように、気象台からはこの冬は2012年以来4年ぶりの厳寒になるとの予報が発表されています。
太平洋で発生しているラニーニャ現象により、中国全土、特に東北部及び西北部は猛烈な寒波に襲われる見込みとのことで、冬場の平均気温が、平年比で0.5℃程度低下すると見られています。
8月の時点で、太平洋中部の気温は平年よりも0.5℃程度低く、これがラニーニャ現象の兆候とされています。海水温が上昇するエルニーニョ現象の逆ですが、どちらも様々な異常気象を引き起こし、農業や漁業に重大な影響を与えます。

日本の気象庁も、「ラニーニャ現象が発生していると見られる」との見解を示しており、今後について、同現象が続く可能性を60%、平常の状態になる可能性を40%と予想しています。今年は北海道、東北と西日本に相次いで台風が襲来し、特に東北地方の太平洋側に初めて台風が上陸するなど異常気象が見られましたが、冬も厳寒、さらに大雪となるのでしょうか。心配されるところです。

中国では、2008年の1月に、やはりラニーニャ現象を引き金として大規模な寒波が襲来し、吹雪により100人以上が亡くなりました。
今回はこの時ほど極端な気候にはならないと見られていますが、それでも被害が発生する可能性は否定できません。
北極で発生する寒気団も、今年は例年よりも勢力が強いそうで、今後年明けにかけ、北京や中国東北部に寒波をもたらす見込みとのことです。東北部はもともと寒さが厳しく、住宅などの対策は万全なのですが、不測の事態が生じることの無きよう、願いたいと思います。

先週、所用のため帰国していたのですが、東京の自宅の近くで、小学校のフェンスに朝顔の花を見つけました。
北京赴任の前は通勤ルートで、もう長い間歩いている道なのですが、以前はせいぜい10月の半ばまでだったと思います。これも地球温暖化の現れかと心配になってしまいました。
北京でも、昨年あたりから夏場にゲリラ豪雨が頻発するようになり、また年々夏と冬の訪れが早まり、気候の変化が荒っぽくなっているように感じます。
一時的な変動であれば良いのですが。

冬の訪れに、様々な心配が重なって見える話題でした。

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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所長

マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト

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