マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
「あなたはどうする?住宅ローン」もいよいよ残り2回となりました。これまでお読み頂いた皆さま、ありがとうございます。前回は、住宅ローンの借り換えの具体的なケース、特に借り換えメリットが多く出る代表例として、「フラット35」からの借り換えについてお話しました。第9回となる今回は、具体例第2弾として、借り換えメリットが少ない、あるいはほとんどなくても借り換えるケース、についてご説明したいと思います。
現在、私の運営している住宅ローンコンサルティングサービス「モゲチェック・プラザ」に来店いただき、借り換えを実行されるお客様の平均借り換えメリット額は約400万円です。しかし、借り換えメリットがわずか数十万円にもかかわらず、借り換えを実行されるお客様もいらっしゃいます。なぜ、そのようなお客様は借り換えを実行されるのか、3つの実例を取り上げて、その理由を説明したいと思います。
ケース1 金利を固定化するケース
Aさんは残高20百万円、返済期間12年、金利1.6%の変動金利ローンを借りていらっしゃいましたが、0.55%の10年固定特約金利のローンに借り換えられました。返済期間が短いことから金利が1%程度下がったにもかかわらず、借り換えメリットは約15万円でしたが、残りの返済期間12年のうち10年間を0.55%という低利で固定化できましたので、金利リスクをほとんどヘッジできたことになります。返済額を多少なりとも減らして、かつ、金利リスクを排除する借り換えの好例です。
ケース2 フラット35から借り換えるケース
Bさんは残高10百万円、返済期間13年、金利2.5%のフラット35を借りていらっしゃいましたが、期間を3年短縮して返済期間10年で0.5%の10年固定特約金利のローンに借り換えられました。前回のメルマガでご説明した通り、フラット35は団信料が高いため、2.5%の金利といっても団信料を含めると実質的には2.86%の金利を払っているのと同等となります。したがってこの方の場合、金利が2.36%も下がったことになります。残高が少なく、期間も短いことから借り換えメリット額自体は100万円を下回っていましたが、金利を大きく下げられるという点に魅力を感じられ、借り換えられました。
ケース3 特殊団信に入るケース
Cさんは残高50百万円、返済期間23年、金利0.9%の変動金利ローンを借りていらっしゃいましたが、0.65%の10年固定特約金利でかつ、三大疾病以外に病気・怪我による15の状態や要介護状態で住宅ローンの返済が全額免除される特殊団信付きのローンに借り換えられました。変動金利から10年固定特約に金利タイプを変更することで、少なくとも10年間の金利リスクをヘッジされ、なお特殊団信に入ることで保険を大幅に強化されています。金利差が大きくないため、借り換えメリットはほぼなかったケースですが、それでも金利リスクのヘッジと保険の大幅改善により大きなメリットを得られたと言えるでしょう。
これらのお客様は、借り換えメリットを得ることを目的にご相談にいらっしゃいましたが、コンサルティングを通じて、借り換えメリット以外に借り換えの価値を見出された実例です。
これら以外にも様々な理由で借り換えを実行されるお客様は多数いらっしゃいます。そもそも金額の多寡にかかわらず少しでも得をするなら借り換えた方がいいですよね。借り換えのデメリットは手続きが面倒である、という点のみ、としても言い過ぎではないため、当社の住宅ローンコンサルティングサービスも、いかにお客様に手間を取らせないか、という点を重視してサービスを構築しています。
MFS 代表取締役CEO 中山田 明
(住宅ローンコンサルティングサービス「モーゲージ・ネクスト」を運営)
家計の見直しは住宅ローンの借り換えから。ベストな住宅ローンを無料で診断できる「モゲチェック」
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