マネックスメール編集部企画の特集コラムをお届けします。
「あなたはどうする?住宅ローン」もいよいよ最終回となりました。これまでお読み頂いた皆さま、ありがとうございました。最終回となる今回は、住宅ローンの借り換えの最終兵器ともいうべき「リバースモーゲージ」についてお話ししたいと思います。
平均寿命が伸び、より多くの方がリタイア後も健康で充実した生活を営まれるようになってきました。その生活を支えるためのフィナンシャルプランがますます重要になってきます。その観点からリバースモーゲージの活用が今後ますます増えて行くだろうと予想しています。今回はリバースモーゲージを使った住宅ローンの借り換えについてご説明したいと思います。
■リバースモーゲージとは
そもそもリバースモーゲージとはどういう商品か、皆さんご存知でしょうか。保有不動産を担保にローンを借りる点は住宅ローンと同じですが、リバースモーゲージでは借りたローンの元本を返す必要がありません。金利だけを支払い、元本は債務者本人が亡くなった後に金融機関が担保不動産を売却して回収します。金利水準は通常の住宅ローンより高くなりますが、金利だけの返済で済むので、返済額が大きく下がります。また、返済期間という概念がないため、いつまでも借り続けることができます。お金は生きているうちに使わないと墓場に持っていっても仕方ありません。不動産という資産をいくらたくさん持っていても、それを生きているうちに現金に変えて使わないと意味がありません(もちろん、遺産として遺族に残すという意味はありますが)。一方で現金化するために居住不動産を売却してしまうと、住む所を失うことになります。不動産をそのまま保有し続けながら必要な分だけキャッシュに変え、そのキャッシュを使って豊かに暮らそうというのがリバースモーゲージの発想です。
■リバースモーゲージによる借り換え
では、実際にリバースモーゲージを借りて住宅ローンを借り換えるとどうなるのか、私の運営する住宅ローンコンサルティングサービス「モゲチェック・プラザ」をご利用頂いたお客様の実例を使ってご説明したいと思います。
Aさんは80代の高齢の方で、残高9百万円、返済期間10年、金利6.5%の固定金利の住宅ローンを借りていらっしゃいました。最近の低金利の環境を受けて借り換えによる金利の引き下げを希望されましたが、ご高齢であることから借り換え先の金融機関を見つけるのが困難でした。そこでリバースモーゲージをご提案しました。リバースモーゲージの場合、通常の住宅ローンと逆で、より高齢の方が借りやすくなります。現にAさんは金利2.9%で、15百万円までのリバースモーゲージの借り入れ枠の設定に成功し、それを使って残高9百万円の住宅ローンを返済されました。この借り換えにより、毎月の支払額は11万円から2万5千円と4分の1以下になりました。また、残り6百万円の融資枠を活用して日々の生活資金に充てるなど、非常に充実したファイナンスプランを実現されました。
最近、50代の方の借り換え相談が増えています。この年代だとお子様もだいぶ大きくなられ、かつご自身も退職が視野に入ってくる頃です。退職金を使って住宅ローンを完済した方がいいのか、それとも退職金は手元に残したまま、年金などを使って継続して住宅ローンを返済していった方がいいのか、と言った相談もよく受けます。「キャッシュイズキング」とよく言いますが、使えるお金はできるだけ手元に残して置いた方がいいと思います。リバースモーゲージは融資枠の設定となるので、使った分だけ金利がかかる仕組みです。また金融機関によっては預金相殺を認めている所もあるので、リバースモーゲージを借りて住宅ローンを返済し、同額の退職金を預金しておくと、金利負担ゼロで借り換えが可能となります。こんないいことはないですよね。当社の住宅ローンコンサルティングサービスでも、今後リバースモーゲージを使った借り換えがもっと増えてくるのではないかと考えています。
最後に長らくのご愛読、ありがとうございました。このメルマガが、住宅ローンを借りている方の少しでも助けになれば幸いです。なお、私の運営する住宅ローンコンサルティングサービス「モゲチェック・プラザ」では、今後借り換えだけではなく借り入れ、新しく家を買う為に住宅ローンを借りる方に向けたサービスも始める予定です。また機会があれば、住宅ローンの借り入れについても色々皆さんにお話できればと考えています。
MFS 代表取締役CEO 中山田 明
(住宅ローンコンサルティングサービス「モーゲージ・ネクスト」を運営)
家計の見直しは住宅ローンの借り換えから。ベストな住宅ローンを無料で診断できる「モゲチェック」
マネックスからのご留意事項
「特集2」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。