第2回:マネックスは元祖Fintech?【野水瑛介が目指す「資産運用のあたりまえ」 】

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第2回:マネックスは元祖Fintech?【野水瑛介が目指す「資産運用のあたりまえ」 】

ここ数年、Fintech(フィンテック)という言葉を良く見聞きするようになりました。Fintechとは、Finance(ファイナンス=金融)とTechnology(テクノロジー=IT)の2つの単語をつなげた造語です。ともすれば閉鎖的で古い金融の世界を、最先端のITを積極的に活用することで便利にしようという新しい流れということもできます。ITはあらゆる業界で活用され、業界を効率化し、また破壊してもいます。
マネックス証券が誕生した時代背景を振り返ってみると、「株式投資」というそれまで個人にはあまり馴染みがなかったものを、「インターネット」という当時の最先端のテクノロジーを使って普及させたという意味で、「元祖Fintech企業」のひとつと言えるのではないでしょうか。

<インターネットとマネックス>

マネックス証券が誕生したのは1999年です。この前年にはマイクロソフト社からOSである「Windows98」が発売されました。また日本のインターネット利用人口がおよそ1,500万人になり、家庭でインターネットを利用する人が初めて法人利用者を抜いた年です。
「パソコン」あるいは「インターネット」は家庭にとってはまだまだ目新しく、ちょうどマス層に普及しはじめた頃と言えるかもしれません。また、2001年は「ブロードバンド元年」といわれ、インターネットに高速かつ常時接続することがようやくできるようになりました。「インターネット専業の証券会社」というビジネスは、個人がインターネットを簡単に利用できるインフラが整備されつつある時代背景から生まれました。

<金融ビッグバン>

一方、金融業界では、バブル崩壊以降の1990年代、日本(東京)の金融市場の魅力がどんどん低下していました。そこで、東京をニューヨークやロンドンと並ぶ国際金融市場に成長させるべく、1996年から2001年度にかけて「金融ビッグバン」という大規模な金融制度改革が行われました。1998年に証券会社の設立は「免許制」から「登録制」に緩和され、1999年には「株式売買委託手数料の自由化」が実施されました。証券会社の設立要件の緩和と、手数料の自由化は、株式投資の本格的普及、すなわち個人投資家の増加を予感させるものでした。この構造変化に目を付けたビジネスこそが、「インターネット専業の証券会社」だったのです。従来の対面型証券営業では、営業マンそして実店舗に多額のお金がかかっていましたが、インターネットを通じてサービスを提供することで大幅な低コスト化が実現されました。手数料の自由化によって、対面販売のみを行う伝統的証券も含めて企業間の競争が激化し、手数料水準は従来の7分の1に下がったと言われています。インターネットという技術によって、株式投資は誰もがいつでも・どこでも・低コストでできるようになったのです。

ネット証券会社の代表格のひとつであるマネックス証券は、金融ビッグバンという制度改革の流れにうまく乗り、インターネットという当時の最先端のテクノロジーを異分野とうまく組み合わせることで、株式投資の世界に新しいトレンドを作り出しました。Fintechという言葉はここ最近のはやり言葉になっていますが、考え方そのものは1990年代後半にはすでに存在していたのです。

<筆者プロフィール>

野水瑛介(のみず・えいすけ)

1986年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、JPモルガン・アセット・マネジメントに入社。銀行や証券会社を担当する投資信託営業に従事。その後ロンドンオフィスに駐在しジャパンデスクとして東京オフィスとのリエゾン業務を担当。帰国後、当時最年少でチームマネージャーに就任。2016年2月にマネックス・セゾン・バンガード投資顧問に参画。オンライン投資一任運用サービス「MSV LIFE(マネックス証券での愛称:マネラップ)」https://www.msvlife.jp の開発責任者に就任し、2016年9月17日にサービスをリリース。「ゴールベースアプローチ」に基づき、「資産運用のあたりまえをあたりまえに」するべく、執筆や講演活動を展開中。

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