第 70 回 アラサ―女子、80万円で投資信託を買う

良質な種(投資のための基礎的な知識や知恵)をたくさん手に入れて、一緒に育てていきませんか?投資初級者の方の背中を押すお話をしてまいります。(現在は更新しておりません)

2009年1月以前のバックナンバーはこちら

第 70 回 アラサ―女子、80万円で投資信託を買う

我が家で行なった週末の女子会(女性だけが集まり、食べて飲んで、しゃべり倒す会)で友人が切り出しました。『ねぇ、思わぬところに80万円があったんだけど、何買ったらいい?』。今回はアラサ―女子の友人が未経験の投資に挑戦しようと思い立ち、相談したいという主旨で集まりました。そろそろお金の管理をしっかりしなければと思っていたところ、存在をすっかり忘れていた金融機関の口座残高に80万円を発見したそうです。親がかけてくれていた保険の解約返戻金か、住宅ローンを組んだとき、諸費用として用意した資金の残金か、既に何の為の資金であったか記憶もしっかりしていないそうですが、名義は間違いなく自分のもの。『普段の生活はキュウキュウだけど、この資金で投資ができる』と早速金融商品選びをしているそうです。
 彼女が持参したのは銀行が販売している投資信託のパンフレットの数々。すすめられ、彼女も気になっているのはオセアニア諸国、主に金利の高いオーストラリアとニュージーランドの債券に投資する毎月分配型のファンドということでした。パンフレットを読みこむと、高金利の債券の利息収入分が毎月配当の原資となり、為替変動に対しては為替ヘッジを行なっているので心配なし、というものです。

う~ん。悪いファンドではないとは思うのですが、金利引き上げの余地がある豪州の債券で大部分を運用していたら、金利上昇による債券価格の下落でファンドの基準価額が下がる可能性が高い。分配金をもらっても基準価額が下がっていたのでは、運用して元金を殖やす必要がある若い彼女が保有するには適さないのではないか。そもそも若い彼女に毎月分配は必要か? 再投資で運用し複利の効果を得るほうがよくないか?
すみません、悪いところばかりを並べました。この銀行さんには個人的に何の恨みもありません。

彼女に銀行でこのファンドをすすめられた経緯を聞くと、この銀行の販売員さん、きちんと彼女の話を聞いてファンドを選んでくれていました。彼女の言い分は

・投資は未経験(外貨預金も経験なし)

・予算は80万円(この先追加の予定も今のところなし)

・性格上、一度いれたら入れっぱなし、おそらく値段をチェックするなどということは
まずしないし、途中の値段は気にならない。

なるほど。この彼女の資産運用スタイルからすると毎月分配型はオススメできるかもしれません。まず、毎月の分配金で自分がファンドを持っていることを認識できますし、分配金の増減でファンドの運用状況を間接的に知ることができます(本当はちゃんと運用レポートみなきゃダメなのですが・・)。分配金が出ないファンドの売却の好機に気付くことなく、数10年保有して「どうして私こんなファンド買ったんだっけ?」と基準価額が下がっているときになんとなく不満だけを抱えて解約するということも避けられ、「毎月分配金をもらったからね」と納得ができそうです。

 いや、しかし、でもですね、やっぱり投資をするからには効率のよい方法で無駄なコストはなるべくおさえて、資産運用をしたいわけです。しかも彼女は若く、ある程度のリスクに耐えられます。ということで私が彼女に伝えたアドバイスは下記のとおり。

・公社債を投資対象とした投資信託ならどれでも心配ないというわけではない。(元本割れはある)

・現在の相場環境であれば、株式型のインデックスファンドにも分散投資してはどうか。

・投資している途中で分配金が欲しいなら、電力株のような比較的高い配当利回りが期待できる日本株の個別銘柄を1つだけ保有してはどうか。

・一度に80万の投資先を決めず、国内外の債券と株式といった具合に投資対象を分散し、複数のファンドを予算の半分の資金で買って様子をみてから追加してはどうか。

 「そうよね、今毎月分配もらう必要はないのだから、複利の効果で資産を殖やしたほうがよいかも。」と。帰る時には納得して帰っていきました。
でも、投資したら預貯金じゃないからちゃんと基準価額のチェックと運用報告書は見ようよね。

投資信託取引に関する重要事項

■ リスク
投資信託は、値動きのある有価証券に投資しますので基準価額は上昇することもあれば下落することもあります。従って投資元本及び分配金の保証された商品ではありません。また、投資信託は商品ごとに応じて様々なリスクがあり、以下は一般的なものを示したものにすぎませんので、ご購入の際には銘柄ごとの「目論見書」、「目論見書補完書面」の内容をご確認ください。 ・ 組み入れた株式、債券及び商品等の変動(組入れ商品が外貨建てである場合には通貨価格の変動も受けます。)に基づいて基準価額が下落することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。
・ 組み入れた株式、債券及び商品等の発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等に基づいて基準価額が下落することにより、投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。
・ 外貨建て投資信託(外貨建てMMF等)は、外国為替相場の変動などによりお受取金額が変動し、外貨建てでは投資元本を割り込んでいなくても、円換算での投資元本を割り込み、損失(元本欠損)が生じるおそれがあります。

■ 手数料 投資信託取引にあたっては、以下の手数料等をご負担いただきます。 ・ 申込手数料 : 申込金額に対して最大3.675%(税込)を乗じた額

・ 信託財産留保額(購入時・換金時の直接的な負担費用) : 約定日、又はその翌営業日の基準価額に最大計3.2%を乗じた額

・ 信託報酬(保有期間中の間接的な負担費用) : 純資産総額に対して最大2.7125%(年率・税込)を乗じた額

・ 運用成績に応じた成功報酬やその他の費用を間接的にご負担いただく場合があります。その他費用については、運用状況等により変動するものであり、事前に料率、上限額等を示すことができません。
・ 手数料(費用)の合計額については、申込金額、保有期間等の各条件により異なりますので、事前に料率、上限額等を表示することができません。

■ その他
・ お申込み/ご購入にあたっては「目論見書」、「目論見書補完書面」をご覧いただき、取引の仕組みやリスク・手数料等についてご確認ください。

マネックスからのご留意事項

「資産の種」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧