第 92 回 固定金利と変動金利、今選ぶならどっち?

良質な種(投資のための基礎的な知識や知恵)をたくさん手に入れて、一緒に育てていきませんか?投資初級者の方の背中を押すお話をしてまいります。(現在は更新しておりません)

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第 92 回 固定金利と変動金利、今選ぶならどっち?

 貯蓄商品を選ぶ時の鉄則、固定金利と変動金利を意識して貯蓄や投資をしていますか?この言葉、貯蓄商品やローンを組む時に耳にすることが多いはず。金利のタイプはその商品性を理解するのに欠かせない特性です。固定金利とは最初に決めた金利が期間中ずっと適用されるもの、変動金利は最初に決めた金利を定期的に見直して、その時点の金利情勢によって適正とする金利に変更されるものです。

 貯蓄の場合、高金利の長期固定金利商品を手に入れれば複利効果をもっとも高く享受できますが、そもそも金利は景気が良い時に上がるものなので、今のようなデフレ、不況という言葉を頻繁に聞くような状況で高金利の貯蓄商品というのは高いリスク無しではありえません。(発行体の信用度が低く、リスクの高い債券等は存在しますが。)

 「早く金利が高くなればいいな、高くなったら長期の固定金利商品で運用しよう!」と考えるのはある意味正解ですが、金利が高くなるのは景気が格段によくなってからのお話です。それまでまったく何も運用もしないでいるわけにはいきません。では、いまのような景気の先行きがまだよく見えず、低金利の状況ではどうしたらよいのでしょうか。

 思い切ってリスクをとって投資に挑戦するというのも一つの手ですが、あくまで貯蓄商品の中から選択するということであれば、短期の変動金利商品を選びましょう。低金利で長期の固定金利商品にしてしまうと、周りの金利が上昇した時に自分の資産だけは相変わらず低い金利で運用することになります。でも、変動金利なら周りの金利が上昇すると、見直し時には適用金利がその時点の金利情勢で決められますから、運用金利の上昇が期待できます。変動金利の貯蓄商品は実勢金利が底をうって、これからは上昇していくことが期待できるときに選ぶのが正解です。

 金利見直し時に更に実勢金利が下がっていたら、適用金利も下がってしまうからです。変動金利の商品を短期で選ぶのは金利の上昇の継続は誰にも読めないからです。貯蓄商品の解約にはペナルティがつきものですから、短期間で満期を迎え、都度、情勢を見て貯蓄商品を選ぶようにするのがよいでしょう。

 では、長期の固定金利はいつ選択したらよいでしょうか。実勢金利がそろそろ天井をつけるのではないか、もしくは既に天井をつけて今後は下降していくことが予想される時です。周りの金利が下がっても固定金利ですから高い金利で満期まで運用できます。

 過去の高金利時(平成2年秋ごろ)には当時郵貯の定額貯金(期間10年、半年複利)が6%を超えていたため、多くの人がこの長期固定の貯蓄商品に申込をしました。また、貯蓄性の高い保険商品の運用成績も高かったため人気がありました。これらの商品が今も貯蓄性の高い商品かというとそうではありません。当時の人もお得な商品を探し、金融商品を勉強したからよい商品を手にしていたわけです。
(バブルの時は今とは逆、儲かりそうな金融商品や投資先がたくさんあって、本当によいものを選ぶのは大変であったはずです。)私達も今の情勢で、保有するのによりよい商品を見つけられるはず。いつの時代も変わらないのは自分の身の丈にあった投資を選択する目を養うことかもしれません。

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