第 95 回 握った手綱は緩めないのが鉄則

良質な種(投資のための基礎的な知識や知恵)をたくさん手に入れて、一緒に育てていきませんか?投資初級者の方の背中を押すお話をしてまいります。(現在は更新しておりません)

2009年1月以前のバックナンバーはこちら

第 95 回 握った手綱は緩めないのが鉄則

十数年前、それまでの超売り手市場から一転し、それなりに苦労して某証券会社に就職した筆者。大量に人の入れ替えがあった都内の支店に同期6人と配属され、苦楽をともにしました。そんな同期と先日久しぶりに集合し、ひょんなことから「お金の話」というか、当時勤めていた会社に作った「自分の口座(資産)」のお話になった時のことです。同期の一人が悲痛な叫びをあげました。
「ちょっと!あれどうしたらいい?損をしてるし、もう絶対戻らないわよ!おかげでそのまんまなのよ!」

仲良くお互いの口座情報を公開すると、驚くことに専業主婦組はほぼ全員放置状態とのこと。しかも見たくないから(損しているので)敢えて放置している(もちろん、だんなさまには内緒)とのことでした。

 よくよくきけば、保有しているのは1ドル120円台で購入した外貨MMF(米ドル)や当時新規で発売された日本株の投資信託、累積投資で買った個別株などなど。当時それなりに勉強をして購入したので「そんなのどうして買ってしまったの?」と言うようなものは少なく、継続して購入を続けていれば平均コストが下がって利益が狙えるものもあるのでした。あぁ、せめて5,000円ずつでも継続して毎月買っていたら、今頃見たくないどころか、ニヤニヤしながら残高をみていたかもしれないのに。十数年は大きいよ、その間ITバブルもあったけど、リーマンショックもあったではないの。「損をしている」のは今の相場でのお話で、「戻らない」かどうかはまだ分からず(そんなにおかしなものを保有しているわけでもないので)、「そのまんま」にしているから、高い買付コストがそのままなのですよ。わが友よ。

結婚、出産、子育て、住宅購入、といったライフイベントをまさに駆け抜けてきたこの世代、目の前に次から次へと今すぐ片づけなければならない課題が山積し、ひとまずの家計のやりくり以上のことは敢えて後回しにしがちです。専業主婦になると、自分の収入がなくなるのでそれまで続けていた投資や積立てを辞めざるを得ないという事情もあるでしょう。しかし、これが将来の家計を大きく助けることになるかもしれないのですから、是非とも継続しておきたいところです。

 まあ、そういう私も偉そうなことは言えません。収入を継続して得ていながら、積立てを一時中断したり、ボーナスが良かった時に一気に株式を購入してみたり、今考えても「あれが痛かった~」という痛恨のミスを犯してきているわけです・・。

 どっちもどっちの戦歴のような気もしますが、一応、今現在もお金にかかわる仕事をしている私にアドバイスが求められるので、ここは真っ当に答えます。

・分散投資は大切(外貨投資は◎)
・少額でよいので積立てを再開、継続必須(見込みのあるファンドであることが条件)

・積立ての目途がたたないのなら仕切り直す(売って買い直す)

 一度自ら手を緩めて止めてしまったものを元のペースに戻すには、何も知らずにはじめるときよりもハードルが高く感じるようです。でも、時間は有限。本人の意思と関係なく資産を作ってくれる仕組み(積立て)を残しておくのとおかないのでは大きな違いが発生してしまいます。将来のための資産形成において、握った手綱を緩めることはないのです。

「これ、そのまま継続してたら今頃◎◎万位になってるよ」、「それ、一時うんと下がって戻ったから、継続してたらトントンだね」という私の言葉に悔しがる同期たち。緩めた手綱を引き直す気がでてきたようです。さすが家計を預かる一家の財務大臣たち。彼女たちのだんなさまをコントロールする手綱は緩めることはないらしいのですがね・・。

マネックスからのご留意事項

「資産の種」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

マネックスメール登録・解除

コラム一覧