第 108 回 その高金利、ちゃんと理由があります

良質な種(投資のための基礎的な知識や知恵)をたくさん手に入れて、一緒に育てていきませんか?投資初級者の方の背中を押すお話をしてまいります。(現在は更新しておりません)

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第 108 回 その高金利、ちゃんと理由があります

債券投資をなさったことはありますか?債券にはいろいろなタイプの種類がありますので、安易に利率と満期、発行体とその格付けだけで購入を決めてはいけないものもあります。特に注意が必要なのは仕組み債と呼ばれるものです。

現在発行されている日経平均リンク債という商品で具体的に解説しましょう。期間3年、クーポン4%、格付けトリプルAの発行体の円建て債があります。払込みは日本円、利払いも日本円、満期も日本円で、為替リスクはありません。これだけ見ると、大変魅力的な債券です。しかし、この債券には日経平均終値の値動きによる、以下の2つの仕組みが設定されています。

【1】 早期償還判定

【2】 ノックイン判定

【1】は、年4回の早期償還判定日に、発行当初より日経平均が5%上昇していたら、期間3年を待たず、満期を繰り上げてお金をお返しします、というものです。約束されていた利金もそこまでの分しかもらえません。『次の投資先を探してね』と、投資期間をうち切られてしまいます。

3年分の利息を当てにしていた場合、「ひどい目にあった」と思われるかもしれませんが、それまでの利息は受け取れますし、元金も額面どおり返ってきます。次の投資に向かう資金の確保と時間の節約ができたと前向きにとらえましょう。

【2】は償還までの期間(厳密には満期の5営業日前まで)に、一度でも発行当初より日経平均が25%以上下落した場合、3年後の満期償還時には

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で計算された金額が戻ってくるというものです。要は最終日経平均株価が当初日経平均株価より下がっていたら、額面割れで。最終日経平均株価が当初日経平均株価より以上であれば額面どおりに満期金が受け取れます。(値上がりのプレミアムはつきません)

日経平均が期間中、25%も下落することが一度もない場合は、額面どおり償還します。4%の利息も受け取れます。しかし、発行して間もないうちに1度でも日経平均が25%以上下落したら、その後は最終日経平均株価(満期の5営業日前の終値)が額面割れしない程度の水準であるように、祈るしかなくなります。


仕組み債は多彩な金融商品の特性をあわせて、高い利率や、償還金額、償還条項など、投資家にとって魅力のある内容が付いている債券です。しかし、その魅力ある特典は、必ず受け取れるものではなく、条件付けがされており、条件を満たさなければ元本割れもあり得ます。

普通の債券では飽き足らず、「黙って満期を待つのはつまらない、満期の間に相場がよくなるなら株式や他の投資商品にしておけばよかったと思うかも」と、いう考えの方には満期までのワクワク、ドキドキ感がよいと思われますが、「債券投資で利率以上の利益は狙わない」という方には私はおすすめしません。

では、投資家のお金を吸い取るだけの悪い商品なのか、というとそういうわけではなく、その債券の償還期間の相場環境によって、非常によい投資になるケースと、大してよくはない投資(もしくは損してしまった)となるケースになるという、債券なのに結果が予想できないというものなのです。

今回の債券も、『この円高の環境じゃ、株式相場は簡単にあがらないだろう。高金利で為替リスクのない債券にしておこう。今の水準は充分に安いから、ここから25%は下がらないだろう。』と、この先の相場を見ている人や『万一、早期償還したら、相場がよくなる合図だろうから、その資金で株を買えばいい』と考える人には丁度よい商品でしょう。

ノックイン判定の25%超えの日経平均は直近の日経平均からすると、7500円前後!そこまで下がることはあるか?(株屋の筆者としてはあったら嫌)という水準です。いやはやこればかりは将来のことですからわかりませんが、ご自身の投資方針と合致する債券投資をみつけてみてください。


マネックス証券で募集中の日経平均リンク債の詳細はコチラ

スウェーデン地方金融公社 2014年8月11日満期
円建 早期償還条項付 日経平均株価連動債券年利率4.00%(税引前) 期間3年


本債券の商品性、お取引の経済効果、元本リスク等を十分ご理解いただいた上で、お客さまご自身の判断にもとづいてお申込みください。

・・「店頭デリバティブ取引に類する複雑な仕組債」に関する重要事項・・
本債券は、デリバティブ取引に類するリスク特性をもった複雑な商品です。お客さまの投資方針などによりご購入いただけない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
本債券は、早期償還または満期償還までの保有を前提とした特殊な仕組みとなっておりますので、中途売却される場合、売却価格が著しく低くなり、投資元本を割込むことがあります。
本債券は、日経平均株価の変動に連動して償還金のお受取金額が変動する仕組みです。
お申込み、ご購入前に発生しうる損失額について「本債券の想定損失額について」(※)をご確認ください。
詳しくは契約締結前交付書面、無登録格付に関する説明書及び目論見書をよくご覧いただき、取引の仕組みやリスク・手数料等についてご確認ください。 また、本債券には、以下のようなリスクがあります。
早期償還リスク
本債券は早期償還評価日の日経平均株価終値が早期償還判定水準以上の場合、当該早期償還評価日の直後の利払期日において、自動的に額面金額で早期償還されます。その際に早期償還された償還額を再投資した場合に、早期償還されない場合に得られる本債券の利金と同等の利回りが得られない可能性(再投資リスク)があります。
元本リスク
本債券は、早期償還した場合を除き、所定の観察期間中のいずれかの時点において、日経平均株価終値の水準が所定のノックイン価格と同額か又はそれを下回った場合には、償還金額が日経平均株価に連動するため、額面金額を下回る可能性があります。
価格変動リスク
本債券の価格は、日経平均株価終値の水準や債券市況の水準の変化等により変動し、その結果投資元本を割込むことがあります。
金利変動リスク
本債券の価格は、市場金利の上昇等による債券価格の水準の変化により変動し、その結果投資元本を割込むことがあります。
信用リスク
発行者の経営、財務状況の変化およびそれらに対する外部評価の変化などにより、元本や利息の支払い能力(信用度)が変化し、投資元本を割込むことがあります。
流動性リスク
本債券には整備された流通市場が存在せず、償還前の売却が困難な場合があり、売却価格に悪影響が及ぶ場合があります。
債券の税金について
本債券の日本国の居住者に対する本邦における現行での課税は、原則として以下の通りとなりますが、詳しくは目論見書をご覧の上、所轄の税務署や税理士などの専門家にお問い合わせください。
利息に対する課税
本債券の利息は、一般に利子として課税され、日本国内の居住者及び内国法人が支払を受ける本債券の利息は、それが国内における支払の取扱者を通じて支払われる場合には、原則として20%(15%の国税と5%の地方税)の源泉徴収の対象となります。居住者については、当該源泉徴収により課税関係は終了します。
償還差損益に対する課税
本債券の償還額が本債券の取得価格を超える場合の償還差益は、日本国の居住者の場合、雑所得として取り扱われ、総合課税の対象となると考えられます。本債券の償還額が取得価格を下回る場合の償還差損は、日本国の居住者の場合、所得税法上はないものとみなされると考えられます。
なお、雑所得内での損益通算につきましては、個別に所轄税務署にお問い合わせください。
譲渡に対する課税
本債券の譲渡による損益については、日本国の居住者の場合は、譲渡益は非課税となると考えられ、譲渡損は所得税法上はないものとみなされます。 税制リスク
将来、税務当局が追加的な取扱いを新たに取り決めたり、異なる解釈をする場合には、収益に大きな影響を及ぼす可能性があります。
手数料等
債券をお取引される場合には、購入対価がかかりますが、取引手数料はかかりません。

(※)「本債券の想定損失額について」の詳細は下記よりご確認ください。http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2011/news1107C.htm

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