第 110 回　まとまった資金があるからこそできる、大人の対処

最近、アラフォー友人と日ごろのストレス解消にヨガのプライベートレッスンを受け、心身の生き返りを感じている筆者です。無機質なスポーツジムのスタジオで大勢の人と空間をともにするのと違い、なんとも心地よいリラックスの時間を楽しめます。日ごろの運動不足から、膝も両腕も太ももも、ポージングしながら『プルプルしている』姿はかなり滑稽なのですが、レッスン後半のリラックスタイムには快楽が全身を走ります。

ん～贅沢、これぞ至福の時。こんな素敵な思いが格安で体験できるのもやはりアラフォーの別の友人がヨガインストラクターになってくれたおかげ。アラフォー女の結束は固いのです。

　さて、そのヨガレッスンの帰り道、友人が最近引っ越しをしたエピソードを聞かせてくれました。お互い婚活に励むことを誓いあった彼女は、手に職を持ち、マンションを買うか、婚活に専念するか、迷い続けていた人です。

婚活は継続しているものの、実家を出て勤め先の近くに仮住まいを得たとのこと。
「仮住まい」。う～ん、怪しい響きです。フリーランスではない仕事ゆえ、事務所のような場所は不要のはず。会社近くの仮住まい、これは密会に使うのに最適な場所。むむむ、婚活に勤しまねばならない今、正々堂々と会える殿方以外に時間を割いている場合ではない！これは彼女を諌めねば！と私の妄想が膨らんだところで話の真相をききました。

実は彼女、ストレスから電車に乗れなくなっていたのです。到着してしまえば仕事に支障がでることもなく、普通に一日を過ごせるのですが、通勤に極度の疲労を覚えるようになってしまっていました。しかも彼女の通勤は往復3時間。途中で何かあっては困ると、用心のためにも薬を飲み続けなければならないことにも不安を覚え、思いきって歩いて通勤できるところに部屋を探したそうです。

「仮住まいだから、物はなるべく増やさないの。契約の更新は絶対しないわ。それまでに結婚するんだから！」
うん、正々堂々と会えない人との愛の巣ではないらしい。力強いコメントに安心しました。

さすがにマンションの購入も検討していた彼女なのでこの引っ越しで貯金がスッカラカンになるなんてことはなかったようですが、それでも予想外の手痛い出費のようです。仮住まいとはいえ、引っ越しはそれなりにお金がかかりますものね。

投資や大きなライフイベントに資金をつぎ込むときでも、緊急時のために生活費3カ月～6カ月分の資金は預貯金などの流動性の高い資産に残しておく必要があります。震災や事故に備える資金でもありますが、自分の現在の生活と心身の健康を守る予防策をはる資金にもなりえます。

若い時には想像もしなかった使い道が発生しても、動じることなく自分の生活を守れるスマートさを責任ある立場にある大人は身につけておきたいですね（個人的には今後の婚活に勤しむためにもね）。