過去の運用成績は将来の成果を保証する?

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

過去の運用成績は将来の成果を保証する?

1999年の終わりに、米国テクノロジー株ファンドは平均で年135.5%というとんでもないパフォーマンスをつけました(米国モーニングスター社調べ)。これに気づいた投資家はこぞってこれらファンドに資金を移し始めましたが、2000年の最初の3ヶ月間で、その額なんと337億ドル、日本円で約4兆4000億円にも達しました。

この後テクノロジー株がどうなったかはご承知の通りです。2001年3月までの12ヶ月間で、米国テクノロジー株ファンドは平均でマイナス61.6%の大暴落、つまり10,000ドルの投資が3,840ドルになってしまいました。これは極端な例かもしれませんが、たとえ幅広く分散投資された米国株ファンドであっても、過去の運用成果は決して将来を予測してはいないのです。ウォール街のランダム・ウォーカーの著者として有名な、プリンストン大学教授(そしてバンガードの社外役員である)バートンGマルキール氏は、ファンドの良好な運用結果がその後の明るい未来をも示唆するかどうかを確かめるため、1990年から1994年の間でもっとも運用成績のよかった20の米国株式ファンドを抽出し、その後の5年間の運用成績を追跡調査しました。その結果は下の表の通りです。一度輝かしいパフォーマンスを記録したこれらファンド群はその後、平均して中クラス程度の成績に収まっていました。彼はまた、1980年代の期間で同様の調査をしてみましたが、結果は似たようなものでした。

運用成績の順位変化(全283ファンド):
ファンド  1990年-1994年 1995年-1999年
A     1位            129位
B     2             134
C     3             261
D     4              21
E     5             210
F     6              53
G     7             183
H     8             105
I     9             275
J    10              54

ファンドの過去の運用成果はファンドの特徴をあらわす最もわかり易い指標のように思えますが、それはまた、最も信頼できないものでもあります。過去の運用成績のよいファンドを探すことに貴重な時間を割くよりは、コスト効率や資産配分方法などの自分で調整が可能なものに気を配るほうが、よっぽど生産的なことだと思うのですが、さていかがでしょうか?

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