世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
株式投資の入門商品として今後拡大する可能性があるETF(上場投資信託)。日本でも徐々にではありますが、投資家からの関心を集めつつあるようです。しかしこのETF、なにかとインデックス型投信との比較で議論されることが多いのですが、その中のいくつかは根拠がないにもかかわらず、正しいものとして広く認識されています。ここではそれらの認識がなぜ誤りなのかを検討してみましょう。
これからお話することは、あくまで米国のETFに関するお話ですが、ぜひ頭に入れておきたいポイントなのです。
● 俗説1「ETFは一般のインデックスファンドより優れている」
ETFとインデックスファンドを単純には比較することはできません。それらは、投資家のポートフォリオに対して各々独自の特性を持っています。両者の投資における役割は異なっているといえるでしょう。
● 俗説2「ETFは一般のインデックスファンドより低コストである」モーニングスターによると、2001年のETFの経費率は0.09%-0.99%、一般のインデックスファンドの経費率は0.03%-2.67%でしたが、一般のファンドの経費率を下回ったETFはほんのわずかでした。さらに、ETFに投資するには、売買手数料がかかります。小口、例えば5000ドルのETFを購入すると、25ドルの売買手数料(約0.5%)がETFの持つ信託報酬手数料の利点を相殺してしまう可能性があります。さらにETFの売却時には再び売却手数料を支払わなければなりません。
また、ETFの投資家は、取引所での売値と買値の差、いわゆるスプレッドのコストを被る可能性があります。これらのスプレッドは通常約0.5%-1.5%です。一般のインデックスファンドはこうしたスプレッドなしで売買することができます。
● 俗説3「ETFはインデックスファンドなので、全てのインデックスファンドと同じ動きをする」
ETFを含む全てのインデックスファンドは同じ動きをしていると考えられがちですが、これは誤りです。2000年5月ニューヨーク大学のスターン・スクール・オブ・ビジネスの研究者は、1994年から1998年の間、スタンダード・アンド・プアーズ500インデックスを追随する人気の高いETFが主要なS&P500インデックスファンドを年間0.18%以上もアンダーパフォームしたと報告しています。これはETFを含むインデックスファンドのマネージャーによって運用成績に違いが生じるということであり、この違いは大変重要な意味を持っているといえます。
一般のインデックスファンドと比較したETFの検討作業、次週も引き続きお話してみたいと思います。
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