債券ファンドからより高い利回りを求める(後半)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

債券ファンドからより高い利回りを求める(後半)

先週は債券ファンドの実質的な利回りを少しでも向上させる方法として、「ファンドの保有コストの重要性」についてお話ししました(よろしければ、6月17日のバックナンバーをご覧ください)。今回はもう一つの方法として、「よりリスクの高いファンドに投資すること」についてお話ししてみたいと思います。ここでいう債券(ファンド)のリスクというのは、主に金利リスクとクレジットリスクです。一般的にこれらのリスクを取ることと引き換えに、より高い利回りを期待することができます。

金利リスクとは市場金利が上昇することで、債券ファンドの価値が下がるというリスクです。通常、満期までの期間が長い債券が多く組み入れられているファンドほどこのリスクが高くなるのですが、このリスクを補うため、長い債券ほど逆に高い利回りが期待できるようになっています。例えば2002年2月28日時点での平均的な米国短期国債ファンドの利回り(ドルベース)は3.30%で、平均的なMMFの利回りを2.12%ポイント超えていました。
一方で、クレジット・リスクとは、債券発行者が元利金を将来支払えないかもしれないというリスクです。一般的にこのリスクを投資家が取ることで追加のインカム収入を得ることができます。たとえば米国政府が破産することはまずありえませんが、会社は違います。したがって、同じ償還期間の債券でも会社が発行する債券のほうが国債より高い利回りになるのです。例えば2月28日時点での平均的な短期社債ファンドは国債ファンドより0.72%上回っていました。

この金利リスクとクレジットリスクの影響を実際にファンドが被ってしまう可能性(つまり損をすることです)はもちろんありますが、経験則上、長い目でみれば、これらのリスクはごくわずかなものでした。

ただし、金利収入だけで暮らすということは普通無理なので、これらのリスクを過度にとって、市場金利をはるかに上回る利回りを狙うということは、止めたほうがよいと思います。極端な投資戦略は長期投資家の資産配分をいびつなものに変え、その結果、投資資産の分散効果を薄め、長期的な資産形成の目標達成を困難にする可能性があるからです。

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