世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
この環境下、投資家の皆さんの間で不安が高まっていることは否めません。バランスのとれた分散投資プログラムで下げ相場に備えている投資家であっても、ポートフォリオの中の株式が急落しているのを見るのは心穏やかではないでしょう。
そのような状況の中で、いわゆる「マーケットの専門家」と呼ばれる人たちの中には、「株式市場が“安全な”、あるいは“底に達した”状態になるまで、投資家は長期計画を捨て、債券やマネーマーケットファンドに資産を移したほうがよい」と言って懸念を増大させる人もいます。
株式の持続的な変動リスクを回避するためには、それまでの投資計画を変更し、債券やキャッシュに比重を置くことが、一見すると適切に見えるかもしれません。しかし、バンガードのインベストメント・カウンセリング・アンド・リサーチ・グループの責任者、キャサリン・ゴードンは、その考えは誤りであると指摘しています。
「それは単にマーケット・タイミング戦略のひとつにしかすぎません」と、彼女は言っています。「長い下げ相場においてマーケット・タイミング戦略が効果的であるという確証はありません。また、専門家の間でも株式市場の売買のタイミングに関して統一した見解はありません。」
今、投資家がすべき決断は、1990年代の急激な上げ相場の時と同じであると彼女は言います。すなわち、常に起こりうる下げ相場のリスクを考慮して、投資家は自らの投資可能期間、投資目的、個人の財政状態にふさわしい資産の分配計画をたてることに注力したほうがよいということです。
「成功する投資家は計画をたて、それを守ります」とゴードンは言います。「上げ相場の頂点近くで債券を売り、成長株を過剰に投資することによって、自らの投資プランから逸れた投資家がいました。彼らは積極的になりすぎたあまり、相当な損失を被りました。一方、今日の投資家がこれまでの投資計画から離れ、資産配分に対して過度に保守的になることで、判断を誤る可能性もあります。それよりも、どのような市場にも対応できる、長期的な計画にそった資産配分方法を見つけて、それを維持していくことが重要なのです。」
相場環境が悪い中、「保守的」という言葉は、ある意味魅力的です。
次週は、投資計画から逸れることが危険であるという3つの理由をご説明しましょう。
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