世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
前回は、相場環境が悪い中、それまでの投資計画を変更し、保守的な形に組替えることに対して、バンガードは、「長期的な計画にそった資産配分を維持していくことが重要です」と主張しました。
今回は、投資計画から逸れることが危険であるという3つの理由をご説明しましょう。
理由その1 : 先のことは予想できない
2000年3月に株価の下落が始まって以来、反転相場は数回ありました。投資家はその反転が一時的なものなのか、あるいは新たな上げ相場の始まりなのかをどうやって見分ければいいのでしょうか?株式を買うのにいつが「安全」なのかは、誰にもわかりません。実際、2000年3月24日に現在の下げ相場が始まって以来、582日のうち「45%」の取引日でダウ・ジョーンズ工業株価平均は上昇しています。
理由その2 : 好機は逸しやすい
市場の回復が始まる時に、たとえ短期間でも資産を他へ移していると、非常に大きな機会損失を被ることもあります。特にマーケットサイクルが上昇あるいは下降しはじめた時は、株価は安定した動きをしないのが常です。
1987年6月30日から、2002年6月30日まで、S&P500インデックスの平均年間収益率は10.87%でした。その15年間のうち、わずか10日の「好機」を逃した投資家は、それよりもかなり低い7.22%の平均年間収益率しか得ることができませんでした。
この10日間のような「市場回復の好機」は、突然やってくるものです。
理由その3 : 債券の下落
債券やマネーマーケットファンドへの資金の移動もリスクを伴います。米国のマネーマーケットの利回りは、株式市場全体の配当利回りと比べてかなり悪くなっています。また、下げ相場で債券価格が上昇した時とは反対に、株価が反転し、経済成長率が上昇すると、債券価格は急激に低下することが予想されます。
投資家が下げ相場から得られる教訓は、「株を売るべきだった」というようなことではありません。ほとんどの投資家は、その長期的な目標に見合う十分なリターンを得るために、一定の株式を保有しておく必要があります。
その教訓とは次のようなものではないでしょうか。つまり、「金融市場には常に不確実性とリスクが存在している。投資家は長期的な目標の達成のために、株式や債券ファンドからなるバランスのとれたポートフォリオを保有することで、そのリスクを抑えることができる」ということです。
長期投資家としてこれから直面する全ての困難を回避しようとするよりも、バランスのとれた分散投資を心がけることが、投資の目標を達成するのには役立つことでしょう。
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長期運用商品として是非ご活用ください。
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