バンガードCEOブレナンへのインタビュー・債券投資について

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガードCEOブレナンへのインタビュー・債券投資について

今回は、先日行われたバンガード・グループCEO、ジョン・J・ブレナンへのインタビューの中から、債券投資に関するコメントをご紹介しましょう。
インタビュアー:以前と比べて今の投資家は債券に関心があるようですが、これは望ましいことでしょうか。

ブレナン:まず、パフォーマンスが見込める投資対象として、債券が再び注目され始めたと肯定的に捉えることができます。個人的な話をしますと、私は長年にわたって債券ファンドを保有しており、満足した結果を得てきました。債券ファンドのパフォーマンスが株式を下回っていた時も私には迷いはありませんでした。私は家計のポートフォリオをバランスよく分散させるために債券ファンドを購入してきましたし、同様の理由で今後も買い増ししていくでしょう。また、得られたリターンも当初の期待をはるかに上回ったものでした。

ですから、私は決して「株式を買っていれば、債券ファンドよりもっと良い結果を得られたはず」と思ったことはありません。投資家が気をつけなければならないのは「もし、別なところに投資していたら」「もし、株式ではなく債券をもっと多く持っていたら、この2年はもっとリッチに暮らせたろうに」といった無意味な比較をしてしまうことです。それは正しかったかもしれませんが、将来起こることは予想できなかったはずです。

したがって、投資家が債券に関心を持ってきたという事実は評価すべきですが、注意が必要です。金利収入を得ることであれ、分散投資をしてリスクを抑えることであれ、ポートフォリオにおける債券の役割を認識することが大切です。過去2年間の債券のパフォーマンスが、株式を上回ったという理由だけで債券に注目するのは禁物です。

その他に債券ファンドの投資家が心に留めておくべきことが二つあります。一つは、分配金を再投資する投資家にとって特に大切なことなのですが、金利が上昇することは必ずしも悪いことではないということです。たとえ、それで債券価格が下がったとしても、再投資した資金に対する分配金がさらに増えるからです。これは債券ファンドの投資家にとって盲点ではないでしょうか。我々は、金利の上昇は「分配金を再投資する債券投資家にとっては」、必ずしも悪いことではないという投資の基本理念を敢えてお伝えしたいと思います。
二つ目に注意しなければならないことは、利回りを追うあまり、大きなリスクをとってしまうことです。標準的なイールドカーブの環境下で、過度の満期リスクをとること、さらには信用力の劣る債券へ大きく投資する、といったことです。高利回りを狙うのはタダではできません。私は、あまりにも多くのこうした取引を20年以上見てきました。

米国債ファンドも、高利回り債ファンドも、投資家にとって大事な投資対象です。しかし投資家は、債券市場にはタダで得られるものはないと理解する必要があるでしょう。満期と利回り、そして債券の信用度と利回りのトレードオフの関係を理解してください。そうすれば、きっと満足できる債券取引ができると思います。

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