過去4年間から得られる教訓(2)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

過去4年間から得られる教訓(2)

先週に引き続き、過去4年間の記録的な下げ相場(そしてそれ以前の記録的な上げ相場)を振り返り、バンガード会長、ジョン・ブレナンからのメッセージをお伝えしたいと思います。今週は教訓1~4です。

1.「今度は違う」ということはありえない。 
誰かに「今回は今までと違う」と言われたら、それが投資では最も危険な言葉であると思ってください。そして、なるべく早くその場から離れるのが得策でしょう。1990年代の後半、ウォール街のアナリストは、収益の少ない企業の株式が非常に高値で取引されている状況を肯定するために、この言葉を使いました。テレビのコメンテーター達もまた、企業の格付けを引き上げるため、「今回は今までと違う」と主張し、投資家のインターネット取引熱を煽りました。そして今、だれしもこれらが間違った判断であったことを認めています。これは今後決して忘れてはならない教訓であると言えるでしょう。

2.ファンドマネージャーにとって苦い経験は必要である。 
1990年代、ファンドマネージャーたちの多くは非常に有能に見えました。しかし、それは活発な上げ相場の中、ある意味錯覚だったのです。バンガードは、ファンドマネージャーが苦い経験をするのは望ましいことだと考えます。好調な市場とともに、悪い市場にも耐えてきたファンドマネージャーこそ、経験に基づく知恵を養うことができたのです。1998年から2002年にかけての市場環境の劇的な変化でもわかるように、そうした経験知はファンドマネージャーにとって非常に役立つものと言えるでしょう。

3.バランスは重要です。 
1990年代では長期的なポートフォリオとして株式と債券を保有するという知恵が疑問視されるようになりました。もっとも株式が2桁台のリターンを出していた頃、誰が債券を必要としたでしょうか。そしてここ30ヶ月で投資家は、債券が株式市場の下落による損失をどれくらい相殺できるかを知りました。ここでもう一度確認しておきましょう。ポートフォリオのバランスについての教訓は、「株式と債券の両方を保有すること」です。2000年3月以降にポートフォリオの全てを株式から債券に移した投資家は、正しい教訓を学んでいなかったといえるでしょう。彼らはまるで車のバックミラーを見るように過去の出来事しか見ていなかったため、残念なことに債券に移るタイミングが遅すぎて、結局求めていたリターンは得ることができませんでした。

4.分散投資は重要です。 
確かにこの30ヶ月間には、さまざまな産業や企業の株式や債券に分散投資していた投資家も損失を被りました。しかし、一般に彼らの損失は、テレコムやテクノロジーセクターに著しく偏ってたポートフォリオを保有していたり、エンロンやグローバル・クロッシング、ワールドコムなどの企業に集中的に投資していた投資家ほど大きくはありませんでした。ポートフォリオの分散化には常に何らかの後悔はつきものだということを覚えておいてください。分散投資をするということは、仮にあなたがある銘柄の一、二年先のすばらしいパフォーマンスを予想できたとしても、そこから得られるはずだったリターンの一部をあきらめるということを意味します。一方で、分散投資をすることによって潜在的な損失を抑えることができます。そして、そのために特定の企業に関する特別な予備知識は必要としません。これは価値あるトレードオフの関係ではないでしょうか。

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