過去4年間から得られる教訓(3)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

過去4年間から得られる教訓(3)

先週に引き続き、過去4年間の記録的な下げ相場(そしてそれ以前の記録的な上げ相場)を振り返り、バンガード会長、ジョン・ブレナンからのメッセージをお伝えしたいと思います。今週は教訓5~7です。

5.市場は往々にして変則的な動きをしますが、その時こそ投資家の忍耐力が試されています。
市場の規則性のない動きは、上昇時期にのみ生じるわけではありません。1990年代の投資家は非常に積極的でした。しかし、このところの2年半の間に多くは極端に逆の姿勢に転じました。今、私たちは先の見えない一見絶望的ともいえる状況に直面しています。明らかに今は、金融市場において困難な時期です。そしてこの状態がいつ終わるかを予測することは不可能です。しかし、悪い時期が永遠に続くわけではありません。今我慢することは後で必ずよい結果を生むでしょう。

6.リスクについて理解してください。
当面の間、相場変動や個別銘柄リスク(特定の銘柄に損失が生じるリスク)の増加は、投資環境における重要な要因となり続けるでしょう。しかし、リスクを恐れるあまりに投資計画を変更するのは避けてください。長期的な投資を目指しているのなら、多少のリスクを負う覚悟はしなければなりません。30代の若い人達が株式市場の短期的な下落が心配で、投資をためらっているという話を耳にします。しかし一方で、株式市場のリスクが高すぎると感じている同じ人達が、5年か10年で売却してしまうような住宅を高額で購入しています。株価の下落は株式市場のリスクを軽減し、債券価格の上昇は債券市場のリスクを増加するということを理解してください。

7.投資では「流行りもの」はたいてい「粗悪なもの」です。
1990年代、投資家は熱狂的な投資ブームを経験しました。「一山あてる」ことを信じてインターネットで頻繁な株式の売買を繰り返し、デイ・トレードに走る投資家もいました。また、今後の収益へ確証がない、ビジネスモデルだけの企業に期待して、テクノロジー株やインターネット株ファンドを熱心に買い求めた投資家もいました。ここから得られる教訓はとても単純ですが重要なことです。つまり、一時的な流行に乗ってしまえば、それまでの何年間かの忍耐強い投資から得たよい結果はすべて水の泡となってしまうということです。
先週、今週に亘ってお伝えしたのは、1998年から2002年の稀に見る市場環境の期間から学ぶことができる教訓です。そしてこれらは、最も重要な一つの教訓に集約することができます。それは、投資の基本原則は「バランスと分散投資」だということです。このことは過去4年間の「投資ブームの崩壊」で再認識されたといえるでしょう。この期間に正しい教訓を学び、投資の基本に立ち返る投資家は、今後市場で何が起ころうとも、確信を持ってよりよい投資行動をとることができるのではないでしょうか。

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