債券のリスクについての話

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

債券のリスクについての話

2000年3月以降、米国株式市場がとても厳しい市場環境にある中で、多くの投資家がより高いリターンと投資資金の深刻な元本割れを避けるため、債券または債券ファンドを購入しています。米国投資会社協会によれば、2002年(8月まで)の債券ファンドへの正味資金流入額は1000億ドル以上と記録的な数字となりました。

債券ファンドへのこの異常なキャッシュ・フローは危険なシグナルかもしれません。これらの投資家はクーポン収入とリスク回避のために債券を購入しているのでしょうか?それとも単純に運用益を狙っているのでしょうか? 重要なことは、これらの投資家が債券ファンドにもいくつかの、そして時には大きなリスクがあることに気がついているかどうかです。

バンガードは、一部の債券ファンドの「不合理な繁栄」、そしてそれらの投資家の明らかな理解不足を心配しています。実際、最近のバンガードが米国内でおこなった投資理解度テストの結果でも、参加者の70%が債券の本質的な特徴、すなわち債券価格と金利が逆方向に動くということを理解していませんでした。

債券ファンドは保守的な投資であると広く考えられていますが、もちろんリスクはあります。なかでも顕著なのは金利リスクで、理解しておかなければならないそのキー・コンセプトは「金利と債券ファンド価格はお互い反対の方向へ動く」ということです。市場金利の上昇は、債券ファンドの価格が低下するということを意味し、また市場金利の下落は、債券ファンド価格が上昇するということを意味します。

現在のような金利水準が非常に低いときの金利リスクは、債券投資にとって特に重要なキーワードとなります。2002年9月30日、10年米国債の利回りは3.60%という1950年代後半以来の最低の利回り水準となりました。市場金利の今後の動きは、これからさらに下がるというよりは上がる方向であると言われています。もちろんこのまま下がり続ける可能性もありますが、金利が反転したときの債券ファンドの動きを知っておくことは大切です。実際、市場金利が10月22日に4.26%まで急上昇したときには、ほとんどの債券ファンドの価格は下がってしまいました。

ただ、債券ファンドにとっては天敵の金利上昇局面も、長期投資家にとっては、そう悪い状況が続くというわけではありません。保有債券のクーポン収入と償還金がより高い利回りを持つ債券に再投資されていき、ファンドが受け取る保有債券からのクーポン収入が徐々に時間をかけて増加していくからです。ファンドの価格の一時的な下落をガマンできる長期投資家にとっては、クーポン収入の上昇効果がいずれ元本の一時的な下落を補っていくでしょう。

また、金利リスクを緩和するために、しばしば「ラダー(はしご)戦略」とよばれる投資方法を適用することがあります。これは短期、中期、長期のコンビネーションで債券または債券ファンドを保有する戦略です。一般的に短期債は金利上昇時の価格下落幅が長期債に比べて極めて小さく、このアプローチには、短期債ファンドで元本の安全性を追求する一方で、中期、長期債ファンドがより高いインカムを提供してくれる、といった利点があります。

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