世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
かつて米国株式市場で最悪の弱気相場(ベア・マーケット)は1929年9月から1932年7月まで35ヶ月間続いたもので、その間株価は86%下落と全くひどい状況でした。また1973年の1月から始まった弱気相場はその後2年近く続き、株価が以前の水準に戻るまでには8年近くかかりました。
それでは、どうして弱気相場は起こるのでしょう?
理由の一つは人間心理によるものです。上昇相場が続いている間は、経済と市場リターンに対する楽観主義が警戒心を抑えています。 その後、経営者は過剰投資になるまでビジネスを拡大し、不動産デベロッパーは需要以上のオフィスや家を建て続けます。そして同様に投資家は証券の価格をつり上げていくのです。最後に経済の実態が市場の楽観的な予想に応えられなくなったとき、証券の価格は激しく下落することになるのです。
またその他の理由としては、政治的な出来事、あるいは紛争が相場を悪化させることがあります。たとえば、1973-1974年の下げ相場は、ニクソン大統領の弾劾および辞職から生じた政治的不透明さによって、下げ相場が長期化しました。記憶に新しいところでは2001年の世界貿易センターおよびペンタゴンに対するテロ攻撃が、市場をさらに悪化させました。
政治的、社会的要因とは別なところでは、経済動向と市場動向の間にも関連性があり、これも弱気相場の原因になります。インフレ、金利上昇、企業利益の停滞減少、そして高失業率は投資家への危険信号です。
それでは弱気相場に直面するとき、私達はどのように対処すべきでしょうか?
もし皆さんの投資の目的がその後も変わらず、株式、債券そして短期の安全資産にバランスよく投資しているポートフォリオを保有して、市場の下落の可能性に備えているとお思いでしたら、結局いつもの通りにしていることが一番です。
弱気相場で投資家が起こす間違いの1つは、価格が下落し続ける中でガマンしきれずにすぐ証券を売却してしまうことです。さらに弱気相場の初期段階によく見られるもう1つの間違いは、株式の早期の戻りを期待し、短期資産や債券を必要以上に売って追加で株式を押し目買いすることです。
投資経験の豊富な人は短期的な市場変動を追いかけて売買するべきではないことをきちんと理解しています。彼らがこだわっているのはむしろ資産配分プランであり、市場が大きく変動した場合でも、当初決めた目標資産配分の比率を維持するためにリバランスすることはあっても、プランそのものを捨てることはしません。
この長期投資の基本となるバイ・アンド・ホールド哲学はとても単純そうに聞こえます。しかし実際は、市場に打ち勝つため積極的に市場で売買を繰り返す勇気よりも、上昇している市場での追加投資への誘惑、下落している市場での売却への衝動に打ち勝つことのほうがよっぽど難しいのです。
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