世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
先週に引き続き、バンガード・グループ会長、ジャック・ブレナンがお届けする「ベテラン投資家のための7つのレッスン・その2」です。
教訓その2:市場を出し抜こうなんて思わないでください。
ブレナン氏:「マーケットタイミングを狙うこと」、これは混乱した市場で投資家がよく犯してしまう過ちです。市場の先行きを予測する行動が、この5年間を経験したベテラン投資家にとって、いかに困難な作業であったか、(私は敢えてこれを愚かな行為と言いたいのですが)明らかでしょう。私たちは本当に驚くべき状況を目にしてきました。ここでお話することは、そのほんの一部です。
*1998年には、成長株が割安株に対して約28パーセンテージポイントの超過収益をあげました。それはかつて例を見ない収益格差でした。しかし、2000年の割安株のパフォーマンスは、反対に成長株より約29パーセンテージポイントも上回りました。この数字は成長株と割安株のパフォーマンス差の記録を塗り替えました。[出所:S&P500/バーラ・グロース・アンド・バリュー・インデックス]。
*1999年、S&P500のリターンが初めて5年連続20%を上回りました。一方、同年の債券市場は、史上2番目に悪いものでした。[出所:リーマン・アグリゲート・ボンド・インデックス]。
*2000年のドット・コム・バブルの崩壊と共に、ナスダック総合株価指数は39%(1931年以来、主要なインデックスの中で最悪のパフォーマンス)下落しました。
*2002年9月30日までの2年間、急激な下げ相場で株式が停滞していた一方で、債券の総合パフォーマンスは株式のそれを64パーセンテージ・ポイントも上回りました。それは債券と株式の2年間の格差としては史上最大でした。[出所:ウィルシャー5000インデックス、リーマン・アグリゲート・ボンド・インデックス]。
最も適切な投資のタイミングは、後になってみないと判らないということは明白な真実です。もし、マーケットタイミングを読もうとするならば、少なくとも次の4つの判断を正確に下さなければなりません。株式市場からいつ、そしてどこへ資金を移動させるべきか?定期預金?財務省債?それとも長期債でしょうか?そして、またいつ株式市場に資金を戻し、どんな銘柄を買うのか?これだけではありません。さらに、一連の取引にはコストもかかります。マーケットタイミングによって潤うのは、取引に関わるブローカーと投資家のキャピタルゲインに課税する税務署だけです。
市場が新たな局面をむかえる時は、突然訪れます。どうか友人や親戚に、マーケットタイミングを狙うことのないように言ってあげてください。
(訳注)
文中の株式および債券市況に関するコメントは全て米国株式および米国債券に関するものです。
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