ベテラン投資家のための7つのレッスン(その3)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

ベテラン投資家のための7つのレッスン(その3)

先週に引き続き、バンガード・グループ会長、ジャック・ブレナンがお届けする「ベテラン投資家のための7つのレッスン・その3」です。

教訓その3:理にかなった投資計画を立ててください。そして、粘り強く守ってください。

ブレナン氏:マーケットに勝とうとすることがいかに難しいかがわかれば、今度は「今」あなたの投資計画で行うべきことは何かを考えることが重要です。良い長期投資計画は理にかなった投資目的を置くことから始まります。

今さらこのようなことを言うのは当たり前すぎると思われるかもしれません。しかし、これは非常に大切なことです。教育資金や退職後に備えるといった特定の目的、あるいは一部を慈善目的に当てるような投資計画でもよいでしょう。しかし、ただできるだけ多くお金を貯めるというのが唯一の目的であるような投資計画は立てないでください。

次に、あなたがどのくらいのリターンを望むかを決めなければなりません。私は、自分の個人的な投資計画を立てる際は、将来のリターンに対して非常に保守的な予測をたてます。具体的には、わずかにインフレーションを上回るリターン、例えば、株式なら約3.5%程度と見積もります。保守的な予測にしておくと、より多くの資金を積立にまわすこととなります。でも、やがてそれは嬉しい見込み違いとなるでしょう。

さて、実際のパフォーマンスにはどう向き合えばよいのでしょう?あえて言えば、ポートフォリオのパフォーマンスがマーケットを上回ったかどうかはそれほど重要ではありません。投資の成功を測る唯一の基準は、「最終的に投資目的を達成したかどうか」ということであって、「毎年S&P500と比べてどのようなパフォーマンスを出したか」ということではないのです。

数年前MONEY誌のジェイスン・ツバァイク氏が、このテーマに関するすばらしい記事を書いています。私の最新の著書でもこの記事が引用されています。ツバァイク氏は、ボカ・ラトン(ニューヨークのお金持ちのための避寒地として有名)でリタイヤ後の生活をおくる裕福な人たちに投資に関するインタビューを行いました。その中で「これまでの投資人生で市場に勝ったことがあるか」と質問したところ、その答えはさまざまでした。しかし、その中の一人がツバァイク氏に対して次のように答えています。「市場に勝ったか負けたかなんてことは関係ないよ。ボカ・ラトンに住めるようになったということが、私の十分すぎる投資成果だ。」

私たちはこの投資家の言葉に耳を傾けるべきではないでしょうか。あなたにとっての「ボカ・ラトン」は、退職後の安定した生活、子供の大学資金、あるいは資産を相続したり、寄付をすることであるかもしれません。大切なことはその目的にむかって投資をし続けること、そして自分のポートフォリオのパフォーマンスになるべく気をとられないことです。

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