世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
バンガード・グループ会長、ジャック・ブレナンがお届けする「ベテラン投資家のための7つのレッスン」6回目となる本日の教訓は-
教訓6:ブームはまず疑ってかかりましょう。
ブレナン氏:最初に簡単な質問を一つ。以下の認識は正しいと思いますか?「今日の投資家たちは一時的なブームでリスク金融商品を買うことの愚かさを、市場からの厳しいレッスンを通じて学びました。」
投資家が大きな痛みを味わったことについては、その通りだと思います。1990年代、投機熱に浮かれた投資家たちは確かにその代償を支払いました。モメンタム戦略のもと、コンピューターの画面に張り付き、株の売買を短期間で繰り返すことで金持ちになれると信じて、デイ・トレーディングの世界に飛び込んだ投資家や、確固たるビジネス・モデルや収益性、採算性が全くないようなドット・コム・カンパニー(ネット・ベンチャー企業)に賭けて、テクノロジー株やテクノロジーファンドを山ほど買った投資家、または携帯電話株ブームにすっかり乗せられてしまった投資家たちです。そのような投資家は本当に苦い経験をしたはずです。
ですが、これらの苦い経験からなにも教訓を得ていない人もいるようで、今日また、ヘッジファンドへの投資が多くの投資家の間でブームになっています。ヘッジファンドは、市場のタイミングやプライシングからほんの僅かなきっかけを見つけるファンドマネージャーの手腕に頼って、収益を上げようとするものです。ヘッジファンドの特徴は、非常に大きなリターンと損失の可能性を併せ持っているというところにあります。
ヘッジファンドは米国籍の投資信託が持つ投資家保護の機能の多くを欠いています(もちろん全てのヘッジファンドにあてはまるわけではありませんが)。構成銘柄やパフォーマンスに関してスポンサーが自発的に提供する以上の情報を開示する義務はありません。また、投資家に課すコストにも制限がありません。概して、ヘッジファンドにかかるコストはファンド純資産の1%から2%の手数料、プラスファンドの年率リターンの20%です。すなわち、ヘッジファンドのファンドマネージャーは投資家の資産を不用なリスクに晒すことで収益を得ているのです。もし、そのようなリスクをとった上での成果が期待できない場合、ヘッジファンドのファンドマネージャーは投資家に対して損失の埋め合わせをすることができないでしょう。
私の友人でバンガードの社外取締役でもあるチャールズ・エリスは、著書「敗者のゲーム」の中で、目新しい投資商品に飛びつくことについての次のような忠告をしています。“目新しい、あるいは面白そうという理由で投資をしてはいけません。それらの投資商品は「投資家が保有するため」というよりはむしろ「投資家に売るため」に作られているからです。
こんなたとえ話があります。釣具店で派手な装飾を施したルアー(疑似餌)を見た初心者の釣り人が「こんなルアーで魚が釣れるのか」と店主に聞いたところ、その店主はぶっきらぼうにこう答えました。「うちがそれを置いているのは、魚を釣るためじゃないよ(釣り人を釣るためさ)」”
疑問を持つことは人生の上においても重要なことです。ジャーナリズムの世界にも若いリポーターのために、「母親の愛しているという言葉でも、まず疑ってみろ。」という格言があります。私たちも、本来の投資の目的を惑わすような一時的なブーム、売り込み、または宣伝コピーに出くわした時には、まずそれらを疑ってみることが大切です。
※バンガードの外国投信は買付時為替手数料無料、販売手数料も無料(ノーロード)で3本とも1万円台から購入可能です
バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドバンガード・スモールキャップ・インデックス・ファンド
バンガード・ウェルズリー・インカム・ファンド
ファンドの内容はマネックス証券のホームページでご確認下さい。
マネックスからのご留意事項
「バンガード・海外投資事情」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。
マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。