世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
毎年この時期になると行われる“競争”があります。といってもそれはスポーツではなく、投信業界を舞台にしたアクティブファンド・マネージャーと、ベンチマーク・インデックスとの争いです。
インデック運用の第一人者として、バンガードは数年前からアクティブファンドのパフォーマンスとそれらファンドのベンチマークとなるインデックスとをわかりやすく公平に比較してきました。
その方法を簡単に説明しますと、まずモーニングスターのマトリックス表(縦横3本ずつの線で区切られた9つのマス目)をつかって米国株式ファンドを投資スタイル(バリュー、ミックス、グロース)と、時価総額(大型、中型、小型)ごとに9つのカテゴリーに分類します。
たとえば、大型株・バリュー型とか、小型株・グロース型といった具合です。そして、各カテゴリー内のアクティブファンドの平均トータル・リターンとS&Pインデックスのパフォーマンスを比較します。そして最後に、ベンチマーク・インデックスより劣後しているものの割合がアクティブファンド全体でどれだけあるかを計算します。
この方法で2002年12月末までの1年間、S&Pインデックスとアクティブファンドのパフォーマンスを比較してみると、S&Pインデックスは9つのカテゴリー中7つでアクティブファンドを上回っていることがわかります。
中でも注目すべきは、S&P500インデックスと「大型株・ブレンド」スタイルのファンドとの比較において、ベンチマーク・インデックスが優勢だったことです。S&P500インデックスは-22.10%といういささか期待はずれのパフォーマンスでしたが、当該スタイルのアクティブファンドのパフォーマンスはさらに悪く-22.24%でした。その結果、S&P500インデックスのパフォーマンスは59%のアクティブファンドに対して上回ったのです。
私たちはこの結果を見てインデックス運用のパフォーマンスがすばらしいと喜んでいるわけではありません。私達の意図することは次の2つです。
1.まず、インデックスファンドのパフォーマンスがアクティブファンドを下回るという概念を払拭すること。インデックス運用のアプローチを批判する人々は、アクティブファンド・マネージャーは下げ相場で資金を現金化したり他のセクターに速やかに移したりするため、株主を重大な損失から保護できると言っています。一方、彼らはインデックスファンドが市場とともに下落すると主張しています。しかし、私たちが実証したように、アクティブファンド全体では2002年の下げ相場で目立ったパフォーマンスをあげていないことがわかります。
2.次に、リターンの比較においては、意味のある正確な比較をすること。メディアは、どんな種類の米国株式ファンドであれS&P500インデックスと比較してしまうことがよくあります。
短期間の調査においてもインデックス運用の優位性は驚くべきものでした。インデックス運用の最大の利点はその低コスト性です。その効果は5年、10年、20年といった長期間で一層増大します。
米国の平均的な株式ファンドには年率1.62%の費用(販売手数料を除く)がかかっています。また、アクティブ運用の場合、おそらく0.5%から1.0%の取引コストがかかり、総コストは2%以上にのぼるでしょう。
一方、インデックスファンドにかかるコストはそのおよそ7分の1、0.30%という低さです。(うち年間経費率0.2%、取引コスト0.1%)
アクティブ運用とのパフォーマンス比較、という視点でインデックスファンドを見てみることも必要でしょう。
(注記)インデックスそのものに投資することはできません。したがって、インデックスのパフォーマンスは特定の投資の具体例にはなりません。
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