下げ相場を乗り切れる投資家とは

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

下げ相場を乗り切れる投資家とは

投資家の中には、株式市場を襲った嵐にまともに立ち向かい、より困難な状況に陥っている人がいるかと思えば、一方で比較的うまく切り抜けている人もいます。

米国バンガードのインベストメント・カウンセリング・アンド・リサーチの責任者、フランシスM.キニリー氏は、この厳しい環境を比較的うまく乗り切っている投資家について、次のようにコメントしています。「長期的なスタンスで、退職後のための投資を続けている投資家は、ここ2、3年の株価下落のおかげでより多くの株式を購入することができていると考えることができます。残念ながら債券、株式、短期金融商品といった主要なアセット・クラスをバランスよく保有していたこれらの投資家も、この環境下においてはポートフォリオにダメージを受けたことには違いありません。でもその度合いは2001年から2002年に米国株式市場が被ったマイナス30%の下落幅にはほど遠いものでした。」

キニリー氏はこの投資家が株式市場の下落による損失を軽減できたのは次の2つの要因によるものと考えています。

ひとつは分散投資です。2000年の初め以降下落した米国の株式市場とは反対に、債券市場は上昇しました。過去3年間債券を保有していれば、株価下落のインパクトをある程度相殺できたはずです。債券と株式はしばしば相反する動きをしますが、二つのアセット・クラスのパフォーマンスがこれほど顕著な差をみせたことは、ここ6年間を除いてかつてなかったことです。1999年末から累計すると、米国株式を幅広く網羅するウィルシャー5000トータル・マーケット・インデックスのリターンが-37.2%なのに対し、米国債券の代表的な指数であるリーマンブラザーズ・アグリゲイト・ボンド・インデックスのリターンは33.5%に達しました。両者のパフォーマンスの差はなんと70パーセンテージ・ポイントにのぼります。

しかし同時に、キニリー氏は1997年から1999年までの過去3年間に株式は債券を72パーセンテージ・ポイントもアウトパフォームしていたことも指摘しています。

「どちらの場合も債券と株式のパフォーマンスの差は全く信じがたいほど大きいものです。しかし、このことは投資環境がどれほど素早く変化し、それがいかに顕著になりうるか、そして投資家の投資のゴールや目的、リスクの許容度、投資期間などに応じて株式と債券の最適な投資比率を考えることがどれほど重要になるのかを示す例だともいえるでしょう。」とキニリー氏は述べています。
もうひとつの要因は計画的な投資です。(例えば401(k)プラン、自動積み立てプランなどで)ポートフォリオへ計画的な投資を続けていれば、確実に資産を形成していくことができます。「少しでも安い値段で買ったほうが得なことは誰でも知っています。でもなぜか投資に関しては、多くの人がこの考え方をあてはめることをためらうのです。」

もちろん、キニリー氏は下げ相場の厳しさを軽んじているわけではありません。しかし、投資家は長期的な視野に立ち自らのポートフォリオを構築していくことに対してもっと注意を払うべきではないでしょうか。実際、「株式を手放したい」あるいは「マーケットタイミング戦略をとりたい」という誘惑に打ち勝った投資家は、今後株式市場が回復する際に生じる利益を得る準備ができているとも言えるのです。

「下げ相場がポートフォリオに影響を及ぼすのは確かです。でも分散投資と計画的な投資が、下げ相場の痛みを緩和する重要な役割を果たしてくれることになるでしょう。」

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