世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
戦争とその余波への不安は、世界の金融市場に影響を及ぼし、投資家にも少なからず動揺を与えています。
専門家が出すコメントは「いかにして戦争からポートフォリオを守るか」から「どのような軍事産業株で儲けるか」に至るまで事欠きません。このような専門家の意見は、今日の不確かな投資環境と投資家の投資行動に対する自然な衝動と結びつき、その結果ポートフォリオを大幅に変更してしまう投資家もいます。
しかし、性急な長期ポートフォリオの変更や、重大な投資決定はなるべく避けたほうがよいと考えます。
ポートフォリオは常にニュースのヘッドラインではなく、投資家自身の投資の目的や投資予定期間を反映しているべきです。1年未満の短期の目的であれば、元本の変動リスクを見込んだ投資をすべきかもしれませんが、長期の投資計画であれば、株式、債券、短期金融商品がバランスよく配分されたポートフォリオを維持すべきでしょう。あなた以上にあなたの個人的状況を熟知した投資専門家はいないのです。
もし、今、投資計画に大きな変更を加えようしているのなら、その際に心に留めてほしいことは、不測の事態に市場がどのように反応するかを予測することは非常に困難だということです。いかなる時にも、将来に影響を及ぼす不確定要素が存在し、金融市場はこうした不確定要素を反映して刻々と変化していきます。
例えば、1990年8月のイラクのクウェート侵攻後、株価は3日間で5.8%も落ちこみ、8月23日までには計13.4%も下落しました。しかし、米国が数ヵ月以内に何らかの軍事行動を起こすことが予想され、8月の騰落時から1990年末までに9.0%も上昇しました。そして、1991年1月17日に湾岸戦争が勃発すると株価は急反発し、2月28日に停戦発表までに16.7%も上昇しています。
2001年9月11日のテロ攻撃、1973年10月の第4次中東戦争から1974年11月まで続いた石油禁輸措置などの出来事に、金融市場はこれまで幾度となく打撃を受けてきました。石油不足は景気後退と下げ相場を引き起こしました。また、経済混乱の最中、ベトナム戦争は延々と繰り広げられ、ニクソン大統領は弾劾裁判を回避するために辞職しました。市場の動きに著しい影響を及ぼすこれらの出来事は、予測不可能なリスクといえるでしょう。不測の事態というのは、文字通り予測することができません。
バンガードは、バランスがとれ、分散化された投資プログラムで長期的に資産を形成していくことが、予期せぬ事態に備えた最良の戦略であると考えています。そして定期的にポートフォリオを見直すことは重要なことですが、世界各国の出来事や市場展開に応じてポートフォリオに大きな変更を加えることには慎重であるべきだと考えます。そのような変更は、投資家の個人的な状況や投資の目的、投資予定期間の変更があった場合にのみ考慮されるべきものだからです。
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