株式市場に目を向けるとき?(1)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

株式市場に目を向けるとき?(1)

米国株式の下げ相場が4年目に入りました。バンガード会長兼CEOジョンJ.ブレナン氏は、バンガードのコラムで投資家のみなさんへ次のようなアドバイスをしています。

ブレナン氏 : 将来に目的を持って投資している長期投資家にとって、再び米国株式市場に目を向ける時ではないでしょうか?ただし、今日すぐにも利益を出そうと思って株式に飛びついてはいけません。明日でもありません。言ってしまえば、来月、さらに来年でもありません。

S&P500インデックスが2000年3月24日のピーク時の1,527から600ポイント以上も下落した今日、投資家は株式投資を勧める誰の言う事にも耳を貸す気にならないかもしれません。しかし、新聞紙上を騒がす悪いニュースなどに惑わされず、長い目で投資をしていかなくてはなりません。
実際、米国でも過去に株式が見向きもされなかった時期を経験してきました。
1979年8月、株式市場が短い周期で上昇・下落を繰り返し、インフレ率が高騰、ダウ・ジョーンズ工業株価平均が875にまで下落しました。ちょうどその頃、ある有名なビジネス誌の表紙に「株式の死」というショッキングな見出しが登場しました。さらに、1987年10月の大暴落の11ヶ月後の1988年9月、別のビジネス誌は後々まで語り草となる次のような見出しをつけました。「株式を買う?あり得ない!」その両方の見出しは、その時点では確かに真実のように見えました。しかし、その後株価は上昇し、結局双方の雑誌(の編集者)の見解は誤っていたことが明らかになったのです。

あなたがご自分のポートフォリオをどんな方法で管理していたとしても、投資の目的を達成するためには、資産の一部を株式に投資する必要があります。長期間、債券や短期金融商品だけに投資しても、将来的な資産の形成や、インフレに対抗する購買力を保つことはできないからです。

ただし、株式だけもっていてもだめです。バランスがとれて、分散化されたポートフォリオには株式と債券の両方が不可欠です。また、リスク管理のためには、広範囲に投資された投資信託は良い手段であると言えるでしょう。

債券へ投資する際には、以下のことに十分気をつけてください。
過去を振り返らないで下さい。過去3年間、米国債券は米国株式を大きく上回るリターンを出しました。しかし、最近の債券のリターンは将来を予測する指標としてはふさわしいものではありません。大雑把に言えば、将来の債券の利回りは、現行のクーポン・レートから予測することができます。(クーポン・レートが債券のリターンの予測に適しているのは、債券投資の収益の大部分は、長期的には金利とその再投資から成り立っているからです。金利の変動に連動した債券価格の上昇あるいは下落は、長期ではなく短期的なリターンに大きな影響を及ぼします。)

時間はあまり味方してくれません。歴史的な低金利の今、複利の効果は、債券ファンドやマネーマーケットへの長期的な投資に対してそれほど大きな影響を及ぼしません。仮に20年で25万ドルを貯めるという目標を立てたとしましょう。今日の米国マネーマーケットの金利が1%前後であることを考えると、目標を達成するためには、毎月940ドルづつ貯める必要があります。もし、利回りが5%(平均的な長期債券の利回り)の債券に投資するならば、毎月605ドルの投資が必要でしょう。これとは対照的に、利回りが10%(約20年前の債券の利回りとほぼ同じ)の債券ファンドに投資した場合、月々326ドルの投資ですむことになります。言い換えれば、低い金利は住宅ローンを組むのには適しているかもしれませんが、資産形成には障害となってくるのです。低金利の環境下、債券に投資している“保守的な”投資家は、(高い金利の時よりも)多くの資産を投資にあてる必要があります。さもなければ、その債券が将来大きなリターンをもたらすことは期待しないほうが賢明です。

注)過去のパフォーマンスは将来のリターンを予測するものではありません。投資収益や基準価格は変動します。従いまして、ファンドご購入時の価格を下回る可能性もあります。

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