株式市場が上昇した今、投資家の新たな気がかりは・・(その1)

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

株式市場が上昇した今、投資家の新たな気がかりは・・(その1)

今回は、バンガード社CEO、ジャック・ブレナン氏から投資家の皆さんへのコメントをご紹介しましょう。

ブレナン氏:この四半期を振り返ってみますと、私たちは典型的な「良いニュースと悪いニュース」が入り混じった投資環境の中にいたといえるでしょう。
まず、良いニュースというのはこの10月9日に、1930年以来最悪の下げ相場の底からようやく一年目を迎えたということです。米国株式へ一定の投資をしてきたために利益を得ることができた投資家も多かったのではないでしょうか。

一方、悪いニュースというのは、市場が回復してきたと投資家が思った矢先に、米国投信業界における実に嘆かわしい多くの不正取引が告発されるのを目の当たりにしてしまったということです。この2つの投資環境についてもう少し詳しく見てみることにしましょう。

昨年のこの時期にS&P500インデックスは、2000年3月の最高値から約45%も下落していました。その時には、株式が回復期の手前にあり10月9日から約36%も上昇するなどとは誰も予想することはできなかったでしょう。

私たちがまさに下げ相場の底にいた時、マーケット評論家がどのようなコメントをしていたかを思い出してみましょう。昨年の秋から金融雑誌の表紙には市場の下落に関する次のような記事のヘッドラインが後を絶ちませんでした。「いつ下げ相場は終わるのか?」「市場に苦しめられた?今するべきことは・・・」

こうした過去のヘッドラインをわざわざ取り上げたのは、メディアを批判するためではありません。マーケット評論家の解説にいちいち反応したり、市場におけるすべての下落を大事件の兆候としてとらえたり、はたまたすべての上昇を黄金時代の夜明けとしてとらえることの愚かさを思い出していただきたかったからです。

そして、今、また私たちは危惧すべき兆候を見ることができます。深刻な下げ相場の底から脱して12ヶ月しかたっていないのにもかかわらず、株式市場が新しい、継続的な好循環に入ったと考える投資家の間で、デイ・トレーディングが復活したとニュースは報じています。

私たちは、もちろん市場の反転を良いニュースとして捉えています。しかし、(これまで何度もお伝えしていることですが・・・)市場の変動に左右されずに、バランスのとれた長期的分散投資を追求することこそ最も大切だと考えています。

来週は、ブレナン氏より、米国投信業界を揺るがす不正取引についてコメントしてもらいましょう。
(注:文中のリターン数値はドルベースです。)

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