バックミラーは未来を映さず

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バックミラーは未来を映さず

今年前半まで、米国バンガードの投資家の多くが公社債ファンドに好んで投資していましたが、夏以降はその潮流に変化を見せ、債券ファンドから資金を引き上げ、米国株式、特に成長株や小型株のファンドに乗り換えるようになりました。

バンガードのポートフォリオ・レビュー・グループの責任者、ジェフリー・モリトー氏は、このような状況を「バックミラーだけを見ながら、車を前に走らせているようなもの」とたとえています。資産から別の資産へと急激に資金を移動させるという投資アプローチがいかに投資家を誤った方向に導くか、モリトー氏は以下のようにインタビューに答えています。

モリトー氏:債券リターンが4年も続けて株式のそれを上回ったという、今年初めにおける債券ファンドへの資金流入の勢いには信じられないものがありました。しかし6月中旬に金利が上昇し始めると、今度は小型株から成長株、そして外国株ファンドといった新しい主流マーケットに資金が急激に流れ始めたのです。金利上昇が債券投資家にとって長期的には決して悪い材料ではない、とは考えられなかったのでしょう。

これは、一部の投資家が自らの状況に応じた資産配分に基づいてファンドを選んでいないということを物語っています。そうした投資家によるファンド選びは、「未来は過去を繰り返す」という期待感に基づいているのです。ですが実際にそうなることは稀です。過去20年間のマーケットを振り返ってみると、大型株のリターンは小型株を20回中、11回上回っています(1年が1回)。そして、直近4年間は小型株が大型株のリターンを上回り、今年もその傾向が見られるようです。ところが今のマーケットが小型株に興味を示しているからといって、これが来年も続くという予測にはなんの根拠もないのです。

私が言いたいのは、その時々の雰囲気に巻き込まれないでください、ということです。昨年、マーケットに対する見通しは非常に否定的だったはずです。もし皆さんが「株価が5日間連続で上昇」という新聞の見出しを見たとき「しまった!」と思ったとしたら、それは危険なことです。どうか欲に支配されないようにしてください。

今すべきことは、予測不能なマ―ケットの変化によって心を動かされず、より適正な資産配分をこころがけることです。

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