世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
短期的に見ると、金利の変動は債券(債券ファンド)の価格に極めて大きな影響を与えます。
では、長期的な視点に立つとどうなのか、次の例で見てみましょう。
バンガードのインベストメント・カウンセリング・アンド・リサーチグループは、こうした金利の動向とその影響について、「4%の利回りで、5.8年のデュレーションを持つ架空の債券ファンド」を仮定し検証しました。ここでファンドの利子は再投資されると仮定しています。
次の三つのパターンを考えてみましょう。
金利が下落する場合
今後2年間、金利が4%から2%まで年間1パーセンテージ・ポイントずつ下がる場合、債券価格は著しく上昇すると考えられます。次の12ヶ月で、債券ファンドの利子の収益と債券価格の上昇という二つの要因が8.8%のトータル・リターンを生み出すでしょう。しかし、時間が経過し、支払われた利子が2%で再投資されると、長期的なトータル・リターンは下がっていくと思われます。その結果、7年後の債券ファンドのトータル・リターンは3.8%になると予想されます。
金利が変化しない場合
金利がファンドの保有期間を通して4%のままである場合、その保有期間が1年でも10年でも債券ファンドの年間トータル・リターンは4%のままでしょう。
金利が上昇する場合
今後2年間、金利が4%から6%まで年間1パーセンテージ・ポイントずつ上昇する場合、債券価格は下落すると考えられます。次の12ヶ月で、債券価格の変動と再投資による収益のトータル・リターンは-0.8%になると予測されます。しかしながら、支払われた利子がより高い金利で再投資されると、長期的なリターンは上昇します。その結果、7年後、この場合のトータル・リターンは、前述の金利が変わらない場合と下降する場合を抜いて、年率4.2%になると予想されます。
このデータから何がわかるのでしょうか?それは金利の変化に対する正しい対応方法は、あなたの投資計画によって違うということです。もし長期資産形成の戦略として債券ファンドを保有しているのであれば、どのような金利変化も、あなたの投資決定に影響を及ぼしてはなりません。投資目標が短期の場合は、短期債またはMMFを保有することで、金利の変化のインパクトを最小限にすることも考えられるでしょう。ですから、あなたの投資の決断はすべて投資計画によって変わってくるのです。
(よくお話しすることですが)ここでもまた、「計画に基づいて投資の決定をすること」の重要性がクローズ・アップされてきます。
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