米国大学生の財政事情

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

米国大学生の財政事情

今回は最近の米国大学生及び卒業生に関する財政事情についてふれてみたいと思います。

米国の大学生も卒業して社会人になったら、できるだけおしゃれなマンションに住んで、新しい車を買い、そして流行の服を身にまとって、といった生活にあこがれます。でもやはり、それだけの財力をもって新生活を送れる人は実際にはほとんどいません。現実の多くの学生は教育ローンやカードローンなどの借入金を抱えて卒業していく場合が多いのです。

最近は大学生でもクレジットカードをわりと簡単に持つことができますが、気をつけないと借入れに対して非常に高い金利がかかるものもあり、米国政府も注意を促しています。米国教育省は最新のレポートで、1999年から2000年に調査した大学生のうち、その45%がカードローンで借入れしており、その額は平均で1500ドルであると報告しています。18%の金利(米国の場合)で、60ドルづつ支払っていくとすると、だいたい3年で支払い完了となる計算ですが、その間金利負担分で約400ドル余計に払わないといけないことになり、収入の少ない学生にとってはその額は大きな負担です。

教育ローンに関しては、1999年から2000年に大学を卒業した学生の67.9%がローンを利用していたと報告しています。平均借入額は2万ドルです。卒業生は卒業後6ヶ月たつとその返済を始めなければなりませんが、最近このローンが卒業後社会に出た人たちが持つ借入金のなかで、大きな割合を占めるようになってきています。日本と違い、米国では授業料を自分で賄う学生が多いのでしょう。これは10%以下の金利で、年2,500ドルまで税額控除が受けられるといった優遇ローンで、支払い方法もいくつかのオプションがあり、卒業後収入がない場合は返済を遅らせることも可能です。

マネー管理の成功の鍵は、自分の財力の範囲内できちんと蓄えを作り、ファイナンシャルゴールをめざすことですが、学生ローンとクレジットカード等の借入金の支払いがいつまでも残っていると、長期投資用の蓄えもできなくなります。もし給料の増加などで追加収入があったら、なるべくそれらの返済にあてるべきでしょう。

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