「過去の金利上昇と債券価格の下落が教えてくれること(後編)」

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

「過去の金利上昇と債券価格の下落が教えてくれること(後編)」

前編では、長期債の債券価格が金利上昇の悪影響を受けやすいこと、しかし中長期的には利回り水準のより高い債券に再投資されていくことによって、短期の下落によるダメージは徐々に薄まっていくことをお話ししました。

後編では、価格下落を心配する債券投資家の方のために、債券投資において覚えておきたいいくつかの教訓をお教えいたしましょう。

1.クーポン収入を目的として通常の債券に長期投資しているのであれば、金  利上昇による債券価格の下落はあまり気にしなくてよいでしょう。債券価  格が下落しても、クーポン収入には影響しない、つまりクーポン受取り額  は当初の投資元本に対して決まるため、価格下落による影響は基本的にな  いからです。

2.分散投資が目的で債券ファンドに投資するのであれば、長期的な投資目標  に焦点をあて続けることが大事です。債券からのクーポン収入や償還元本  がより高い利回りで再投資され、時間をかけて一時的な投資元本の下落分  を補ってくれます。また、債券のリターンと株式のリターンは異なった動  きをするので、債券ファンドを保有することはポートフォリオの分散化に  非常に有効であるといえるでしょう。

3.債券価格の下落がどうしても気になるのであれば、償還期間のより短いも  のに資金を移すのも一案です。最初に自分の投資予定期間やリスク許容度  と一致しない債券ファンドを選んでしまった可能性があるからです。数年  以内に債券ファンド売却を必要としている場合や、最近の債券価格の下落  に耐えられないと感じる人はこのケースに当てはまります。ファンドの平  均残存期間が12年以上、あるいはデュレーション(金利変動に対する債  券価格の変動性を表す指標)が10年以上の場合は、平均残存期間がより  短いファンドに買い換えたほうがよさそうです。ほとんどの米国債券ファ  ンドの平均残存期間は、短期では1年から5年、中期では5年から12年  となっています。

最後に、市場より良い運用結果をだそうと考えて、市場金利の変化を利用し債券ファンドの短期売買を繰り返すようなことは避けたほうがよいでしょう。いつ金利が反転するかを確実に予想しようとするのは「 Loser’s game(敗者のゲーム)」と言えます。

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