世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)
最近の報道では、現金や国内の預貯金など「安全資産」に集中していた日本の家計の資産構造に、ようやく変化の兆しが現れ、投資信託等の残高も上昇傾向にあるようです。
今回は投資の基本ともいえる継続投資について考えてみましょう。
投資を始めて日が浅い投資家にとっても、経験豊富な投資家にとっても「ドルコスト平均法」は資産形成に大変有効な投資手法といえるでしょう。
ドルコスト平均法は市場の上下にかかわらず、定期的に一定の金額を投資していくアプローチです。そのため価格が安いときには多い口数、高いときには少ない口数を購入することになります。また、投資する額が一定なので、給与引落しや自動投資プログラムなどを使って継続的に投資することができ、容易に予算の管理を行うことができます。さらに、多額の資産を振り向ける際につきもののタイミングリスクを回避することができます。
例えば、ファンドを毎月250ドル(約27500円)ずつ定期的に購入すると仮定してみましょう。最初の月の基準価格が10ドルであったとすると、250ドルで25口購入できます。その後、翌月には1口当たり8.50ドルに下がった場合、250ドルで29.4口を購入できることになります。この例では、ファンドの単純平均価格は9.25ドル(18.50ドル÷2ヶ月)ですが、実際に投資した金額の平均は、1口あたり9.19ドル(500ドル÷54.4口)となります。つまり、平均の購入価格を計算すると、市場の単純平均価格よりも低いということがわかります。なぜならドルコスト平均法のおかげで、安い時に多く買い、高い時に少なく買うことができたからなのです。
ただし、ドルコスト平均法は利益を保証するものでも、マーケットの下落時に損害を被るのを防ぐものでもありません。また、ドルコスト平均法はマーケットの変動に関わらず(たとえ下げ相場であっても)投資を継続しつづける場合にのみ有効です。継続投資を守った投資家は、下げ相場の直前に単発で多額の投資をした投資家よりも、市場の急激な下落をうまく切り抜けられる可能性は高まるでしょう。下げ相場においてもドルコスト平均法を実践した投資家は、市場が再び上昇し始める時にその恩恵を受けることが期待できます。
ドルコスト平均法は退職用の資産形成などの長期的な投資計画には最適といえるでしょう。
また、自動投資プログラムを利用することで、投資計画の実行の妨げとなるようなマーケットからの「雑音」を遮断し、投資計画から逸れたいという衝動的な欲求を抑えることができる、という効果もあります。資金を目にする前に投資資金に充ててしまえば、「お金を使いたい」という誘惑にも勝てるのではないでしょうか。
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