バンガードのチーフ・インベストメント・オフィサー、インデックス運用を語る

世界最大級の運用資産規模を誇る投資信託会社、バンガードがお届けする運用コラム。世界経済を大局的にとらえ、正しい運用のあり方を示唆します。(現在は更新しておりません)

バンガードのチーフ・インベストメント・オフィサー、インデックス運用を語る

 先週に引き続き、バンガードのチーフ・インベストメント・オフィサー、ガス・ソーター氏にインデックス運用について語ってもらいます。

 インタビュアー(I):採用ベンチマークによる違いはありますか?

 ソーター氏(S):あると思います。目標とする市場セグメントの投資スタイルとパフォーマンスを正確に反映しているのが理想的なベンチマーク・インデックスです。 約2年前、バンガードは7つの米国株式インデックス・ファンドのベンチマークとしてMSCIインデックスを採用しましたが、このベンチマークは、私たちがベンチマークに期待していた、投資スタイル、セグメント、構成、リバランシング方法をよく表しています。MSCIインデックスは、浮動株調整のほかに、境界線をオーバーラップさせる時価総額サイズの区分方法や成長株とバリュー株の定義づけなど、さまざまな観点から構成銘柄を規定しているのが特徴です。

 このため、MSCIベンチマークは目標とする市場セグメントの動きをかなり正確に反映しています。さらに、適切なリバランス基準により過度な銘柄入れ替えは抑えられ、結果としてポートフォリオ運用上、より低い運用コストと高い税効率を実現しています。

 (I):他のインデックス提供者もベンチマークを見直していますか?

 (S): はい。このようなMSCIのベンチマーク・インデックスの開発・改良の動きが他のインデックス提供者を触発したのではないでしょうか。最近、スタンダード・アンド・プアーズは、ベンチマークの浮動株調整をすると発表しました。 さらに、スタンダード・アンド・プアーズとフランクラッセルの両社は投資方法論そのものの見直しをしています。

(注:浮動株調整をすることにより、インデックスの構成銘柄のうち市場に流通しない株式が排除され、それ以外の浮動株のみの比重で時価総額が決定されます。結果としてより現実に即したパフォーマンスが得られます。市場に流通しない株式とは、親会社が持つ子会社株や企業同士の持ち合い株などの「固定株」を指します。)

 我々がファンドに相応しいベンチマークを常に見直しているように、インデックス提供者もベンチマークの改良に余念がありません。ベンチマークは年々精度が高まっており、それは結局のところ、投資家の利益に繋がっていくのです。

 (I):インデックス・ファンドの運用・管理にあたって、ベンチマーク以外では何が重要ですか?

 (S): コストは重要です。 ファンドの純収益(投資家に還元されるリターン)は、ファンドの運用コストに大きく左右されます。

 そして何より、ファンド・マネージャーの能力も極めて重要です。 技量の高いインデックス・ファンド・マネージャーは、ファンドのキャッシュフローを効率的に運用・管理し、構成銘柄の入れ替えコストを最小限にとどめます。このようにしてはじめて、インデックス・ファンドは、目標とするベンチマーク・インデックスに正確に連動させることができるのです。

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